彦坂郁雄

彦坂郁雄（ひこさか いくお）の競艇人生

彦坂郁雄は1941年1月5日に生まれ、元競艇選手として多くの記録を残しました。選手登録番号は1515で、現役時代には「艇王」とも称される存在でした。彼の競技人生は、静岡での選手登録から始まり、一時は千葉に移籍することとなります。

壮大な記録の数々

彦坂は競艇界で数多くの記録を保持しています。特に際立つのは20回の期勝率第一位で、これは歴代最多の記録です。また、37連勝という記録も彼の名を歴史に刻むものとなりました。この連勝は1970年に達成され、その後も山岡豊年との間に大きな差をつけました。彦坂はまた、特別競走（SG・GI）で77回の優勝を果たしており、これも歴代最多です。その外、年間特別競走優勝回数の最多タイである9回、さらには全24場特別競走優勝という唯一無二の記録も持っています。

競艇界の強敵たち

彦坂の競艇人生には数多くの強敵がいました。特に岡山出身の北原友次との戦いは熾烈でした。二人は同年代で、常にライバル心をむき出しにしていました。1970年に行われた全国地区対抗競走では、彦坂がSG初優勝を果たしましたが、その時の2着が北原でした。さらに、1978年の総理大臣杯競走では北原がグランドスラムを達成し、彦坂もその背中を追う存在でした。

また、彦坂の前に現れた「モンスター」、野中和夫とも激しい戦いを繰り広げました。怪物の如く強力な競技者である野中は、25歳でデビューし、わずか5年でSGを制覇しました。彼との競演は、競艇界でも大きな話題となり、1982年のモーターボート記念競走では彦坂が見事に勝利しました。この対戦は、彦坂にとって野中に初勝利をもたらした貴重な瞬間でした。

グランドスラム達成

1985年、彦坂は福岡競艇場で開催された第32回全日本選手権競走においてSGタイトルを制覇し、ついにグランドスラムを達成しました。彼は北原に続いて、史上2人目の達成者となりました。翌1986年には優勝賞金3000万円の賞金王決定戦でも優勝し、SG5冠制の中で最初のグランドスラマーとなったのです。

突然の引退

しかし、彦坂の競技人生は予期せぬ形で幕を閉じることになります。1988年3月に第23回総理大臣杯競走で3度目の優勝を果たした後、同年9月4日に整備規則違反が発覚しました。結果として、選手会から引退勧告を受け、同年9月には彦坂の引退が正式に決定しました。

SG優勝記録のまとめ

彦坂郁雄のSG優勝記録は以下の通りです。総理大臣杯競走では1974年、1982年（完全優勝）、1988年の3回優勝。他にも、笹川賞、モーターボート記念、全日本選手権、賞金王決定戦など、数々のタイトルを手にしました。

競艇界における彦坂郁雄の業績や戦いの記憶は、多くのファンの心に刻まれ続けています。

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