彩の国シェイクスピア・シリーズ

彩の国シェイクスピア・シリーズは、埼玉県さいたま市に所在する彩の国さいたま芸術劇場でシェイクスピアの全37作を上演する企画です。このプロジェクトは、1998年に演出家の蜷川幸雄を初代芸術監督として迎えたことから始まり、埼玉県芸術文化振興財団が主催しています。シリーズの特徴は、作品がさいたま市での上演の後、地方公演を行うことや、海外の演劇祭に招聘されることもある点です。

当初、このシリーズは13年間で全作品の上演を目指していましたが、最近では具体的な期限は設定されていません。2016年5月に蜷川が逝去した後、俳優で演出家の吉田鋼太郎が2代目の芸術監督に就任し、以降の作品は彼が手掛けています。

主な上演作品

シリーズの第一弾として上演されたのは、1998年1月21日から2月1日の間に行われた『ロミオとジュリエット』で、演出には蜷川があたりました。続いて、同年10月には『十二夜』が小ホールで上演され、その後も『リチャード三世』や『リア王』など、名作が次々に舞台にかけられました。代表的な作品には以下があります。

- 第1弾『ロミオとジュリエット』 (1998年)
- 第3弾『リチャード三世』 (1999年)
- 第11弾『ハムレット』 (2001年)
- 第34弾『ヘンリー五世』 (2019年)

このように、数々の名作が上演されており、それぞれに豪華なキャストが参加しています。また、翻訳には松岡和子氏の作品が多く用いられており、シェイクスピアの魅力を日本の観客に届ける重要な役割を果たしています。

近年の公演

近年では、2020年に予定されていた『ヘンリー八世』と『ジョン王』の公演が新型コロナウイルスの影響で中止になるなど、厳しい状況もありました。しかし、吉田鋼太郎の強い意志により、2021年には『終わりよければすべてよし』が無事に上演され、改めてシリーズの継続が確認されました。

2022年には『ジョン王』の番外編公演が行われ、体調不良で降板となった横田栄司の代わりに吉原光夫が東京公演に参加するなど、大きな話題となりました。このような出来事を通じて、彩の国シェイクスピアシリーズは常に新たな挑戦を続けています。

企画委員会の役割

この企画を支える委員会には、河合祥一郎が委員長として在籍し、蜷川幸雄や松岡和子などの著名なメンバーが参加しています。彼らは作品の選定や演出面での助言を行い、シリーズのクオリティを保つために貢献しています。

彩の国シェイクスピアシリーズは、シェイクスピアの作品をより身近に感じられる場を提供し、多くの人々に感動を与えています。今後の上演予定や新作情報にも注目です。

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