影同心

時代劇『影同心』とその続編『影同心II』の概要

『影同心』（かげどうしん）およびその続編『影同心II』（かげどうしん ツー）は、1975年から1976年にかけてTBS系列で放送された時代劇です。毎日放送と東映（東映京都撮影所）が共同制作した本作は、特に視聴者に人気を博し、時代劇のなかでも特異な存在感を示しました。

放送は1975年4月5日から始まり、1976年3月27日までの1年間、毎週土曜日の夜に行われました。特に『影同心』は、その放映開始直後から視聴率20%を超え、全28話が制作されました。それに続く『影同心II』も続けて全24話が放映されましたが、その視聴率は伸び悩み、シリーズは2作で幕を閉じました。

制作背景と人気の理由

本作は、朝日放送（ABC）と毎日放送（MBS）とのネットチェンジののちに制作されたもので、特にTBSが必殺シリーズの人気に対抗するために、MBSに依頼した形で生まれました。必殺シリーズは、当時関西地区で非常に高い視聴率を記録していたことから、TBSは新たな時代劇の制作を急いだのです。

『影同心』は、放送に支えられただけでなく、独自のストーリー展開とキャラクターによっても人気を呼びました。物語は、法で裁けない悪人を成敗する影の刺客、つまりそれぞれ異なる技能を持った同心たちの活躍に焦点を当てています。これにより、視聴者は単に悪を討つ快感を楽しむだけでなく、キャラクターの成長や人間ドラマにも引き込まれていきました。

『影同心』のストーリーとキャラクター

基本的なあらすじ

物語は天保年間を舞台に、南町奉行 鳥居甲斐守の配下として働く三人の同心、すなわち更科右近、高木勘平、柳田茂左衛門が主役です。彼らは外見上は役立たずの厄介者と見なされていますが、実際には法では裁けない悪人たちを暗闇の中から成敗する影の刺客として活躍しています。

主なキャラクター

• - 更科右近（演：山口崇）: 女性の櫛に偽装した道具を使い、悪人を倒す。
• - 高木勘平（演：渡瀬恒彦）: 六尺棒や鎖付きの大刀で戦う。
• - 柳田茂左衛門（演：金子信雄）: 昼行灯的な態度を見せつつも影同心のリーダー。独特の技を使って敵を討つ。

『影同心II』の展開

続編である『影同心II』では、前作の設定を一新し、全24話が制作されました。この新作では、新たなキャラクターたち、特に尼僧や剣術の達人が登場し、物語が新しい方向へと展開しました。

新キャラクター

• - 香月尼（演：浜木綿子）: 悪人を成敗するために様々なトリックを用いる。
• - 堀田源八郎（演：黒沢年男）: 剣の達人で新たな活躍を見せる。
• - 留吉（演：水谷豊）: 遊び好きだったが、成長していくキャラクター。

受容と評価

実際、初作と続編の両方は、視聴率の面では必殺シリーズに対抗する形となりましたが、続編は初作に比べると評価は分かれました。特に『影同心II』は、その内容の面白さに対して視聴率が低迷し、結果的にシリーズは終了となりました。

プロデューサーの見解

必殺シリーズのプロデューサー、山内久司によれば、TBSは必殺シリーズの模倣に注力していたが、スタッフの間ではその意思に反発があったとのことです。これらの条件のもとで生まれた『影同心』と『影同心II』は、当時の文化における重要な時代劇として記憶されています。

まとめ

時代劇『影同心』と『影同心II』は、1970年代における日本のテレビ文化を象徴する作品となっており、そのストーリーやキャラクターは多くの視聴者に愛されました。この作品を通じて、暗い時代の中での人間の闘いやドラマを描いたことが評価されています。

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