征西大将軍

征西大将軍（せいせいだいしょうぐん）

征西大将軍は、中国と日本において用いられた将軍の称号の一つであり、常設の職ではありませんでした。

中国における征西大将軍

中国の南朝である宋の時代には、内外に対して将軍号が授与されており、征西将軍は三品、征西大将軍は二品の格式を持っていました。

日本における征西大将軍

概要

日本においては、奈良時代・平安時代に九州や四国地方を平定する目的で、天皇（朝廷）から任命された将軍を指します。征戎将軍とも呼ばれました。

歴史

六国史によれば、『続日本紀』養老4年（720年）7月3日条に「征西将軍以下抄士（かじとり）に至るまでそれぞれ物を賜う」という記述があり、これが「征西将軍」の初見とされています。また、『日本紀略』天慶4年（941年）5月19日条には、瀬戸内海で反乱を起こした藤原純友を征伐するために、藤原忠文が征西大将軍に任じられたという記録があります。

南北朝時代

南北朝時代には、南朝方が離反した足利尊氏（北朝方）を征伐するため、また九州における南朝勢力の象徴として、延元元年（1336年）に後醍醐天皇の皇子である懐良親王が征西大将軍に任命されました。懐良親王の征西府は、一時期その軍事力によって九州をほぼ実効支配下に置きました。さらに、正平年間（1366年頃）には、後村上天皇の皇子である良成親王も征西大将軍に任命されています。

関連項目

大将軍
征東大将軍
征夷大将軍
鎮狄将軍
征討大将軍
鎮守府将軍
騎兵大将軍
驃騎将軍
車騎将軍
衛将軍

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