後ろもたれ

後ろもたれは、相撲における珍しい決まり手の一つです。相手力士が自分の背後に回り込んできた体勢になった際、自らが相手にもたれかかるようにして、相手を土俵の外へ押し出すか、または倒すことで勝利を得る技です。2001年1月場所から正式な決まり手として採用されました。

成立の背景

この技が正式な決まり手として認められる以前は、同様の状況での勝利は「寄り切り」として扱われていました。しかし、より詳細な分類の必要性から、後ろもたれが独立した決まり手として新設されました。

技の特徴

後ろもたれは、相手に体勢を崩された状態から、起死回生を狙う形で出る場合が多く、意図的に狙って出すことは非常に困難です。なぜなら、背後を取られた状態は、相手に「送り倒し」や「送り投げ」といった、より効果的な技を仕掛けられるリスクが高いためです。そのため、後ろもたれは、ほとんどの場合、偶然の要素が強く、流れの中で発生する決まり手と言えるでしょう。

記録された取組

令和以降の関取の取組で、後ろもたれが記録された例は以下の通りです。

2020年3月場所2日目 十両 英乃海vs若隆景
2020年11月場所14日目 十両 宇良vs東龍
2021年9月場所5日目 幕内 英乃海vs琴恵光
2023年1月場所2日目 十両 島津海vs貴健斗

これらの取り組みからもわかるように、後ろもたれは決して多く見られる技ではありません。しかし、その珍しさゆえに、決まった際には観客を大いに沸かせることでしょう。

まとめ

後ろもたれは、相撲の決まり手の中でも、特に珍しい部類に入る技です。狙って出すことが難しく、偶然の要素に左右される点が、この技の大きな特徴と言えるでしょう。そのため、この技が出た際には、相撲ファンは記憶に残る一番として語り継ぐことでしょう。

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