後藤芝山

後藤芝山（ごとう しざん）は、享保6年（1721年）に生まれ、天明2年（1782年）に没した江戸時代中期の著名な儒学者です。彼の生涯と業績を詳細に見ていきましょう。

生い立ちと学問

芝山は讃岐高松藩（現在の香川県高松市）で生まれました。父親は高松藩に仕えていましたが、藩の財政難により、領内の芝山の麓へ移住しました。この地で芝山は幼少期を過ごし、育てられました。彼は儒学を志し、守屋義門や菊池黄山に師事して基礎を学びました。

19歳の時、芝山は更なる学問を求めて江戸へ遊学し、儒学者・林榴岡の門下生となりました。そして、幕府直轄の教育機関である昌平黌（しょうへいこう）で学び、儒学の知識を深めました。

高松藩への貢献

33歳になった芝山は故郷の高松へ戻り、高松藩主である松平頼恭（まつだいら よりたか）の侍読（じどく）として仕えました。侍読とは、藩主に学問を教授する役職であり、芝山は藩主の教育に貢献しました。

安永9年（1780年）には、松平頼真（まつだいら よりまさ）によって藩校である講道館（こうどうかん）が設立され、芝山はその初代総裁に就任しました。講道館は藩士の子弟を教育する場であり、芝山は教育者として藩の人材育成に尽力しました。

後藤点と著作

芝山が創始した四書五経の訓点は、後藤点（ごとうてん）と呼ばれ、広く世間に知れ渡りました。後藤点は、漢文を読みやすくするためのもので、当時の学問に大きな影響を与えました。

また、彼は多くの著作を残しました。主なものとして、『元明史略』（げんみんしりゃく、宝暦元年（1751年）刊行）、『宮詞一百首』（きゅうしいひゃくしゅ、安永6年（1777年））、『職原鈔考証』（しょくげんしょうこうしょう、安永6年（1777年）成立）などが挙げられます。

門弟

後藤芝山の門下からは、柴野栗山（しばの　りつざん）などの著名な儒学者が育ちました。

後藤芝山は、江戸時代中期における儒学の発展に大きく貢献した人物であり、教育者としても多くの人材を育成しました。彼の功績は、後世にまで語り継がれています。

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