柴野栗山

柴野 栗山（しばの りつざん）

江戸時代に活躍した儒学者・文人として知られる柴野栗山（しばの りつざん）は、元文元年（1736年）に讃岐国、現在の香川県で生まれました。名は邦彦、字は彦輔です。彼は寛政の三博士の一人としても名高く、その学問を通じて日本の儒学に多大な貢献をしました。

生涯の概要

柴野栗山は、父・柴野軌逵、母・柴野於澤の元に、讃岐国三木郡牟礼村で成長しました。1748年、栗山は高松藩の儒学者である後藤芝山のもとで儒学の基礎を学び始め、その後1753年に中村文輔と共に江戸へ渡り、湯島聖堂で更なる学問を修めました。

湯島聖堂での学びを経た後、彼は明和2年（1765年）に高橋図南から国学を中心とする教育を受け、1767年に徳島藩に儒学者として仕官しました。1768年には藩主・蜂須賀重喜と共に江戸に再訪し、その知識を深める機会を得ました。

江戸に戻った後の1776年、彼は徳島藩当主の侍読に任命され、その後1787年には江戸幕府老中である松平定信から幕府への仕官を勧められました。これを受けて栗山は幕府に仕官し、寛政の改革に伴う「寛政異学の禁」の指導を担当しました。彼の学識と評価は高まり、1790年には湯島聖堂の最高責任者に就任するまでになりました。

文化元年（1804年）には、白内障からの回復を祝う詩を残しており、これは詩人蘇軾から引かれたものでした。また、文化4年（1807年）には「玄武洞」という名を命名し、その年の12月1日に彼は他界しました。現在、彼の墓は文京区の大塚先儒墓所にあります。彼の業績は評価され、明治44年（1911年）には従四位が追贈されました。

著作と影響

柴野栗山の著作は多岐にわたります。例えば、彼の詩集『栗山堂詩集』（1987年）や、註釈を加えた『栗山文集』（1987年）などがあり、これらは後世に渡って多くの人々に読まれています。また、彼の手紙は『柴野栗山の手紙』（2004年）として編纂され、彼の思考や智慧を知る貴重な資料とされています。

さらに、関連書籍としては、栗山の生涯や思想を探求した『栗山文集(抄)を読む』（2002年）や、栗山の影響を受けた作品として『マンガ柴野栗山 一歩、そしてまた一歩』（1991年）などがあります。これらの著作や資料は、柴野栗山の業績を理解し、彼の思想の継承に寄与している重要な文献といえるでしょう。

彼の学問的な影響は現代においても感じられており、寛政の三博士の一人として、その名は学問の歴史に刻まれています。

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