御使い

御使いの概念とその教義

御使い（みつかい）とは、キリスト教における神の使者を指す言葉で、ヘブライ語では「מַלְאָךְ（マラーク）」、ギリシア語では「ἄγγελος（アンゲロス）」と記されます。この言葉は元々、「使者」を意味し、聖書内の多くの文脈で語られています。特に日本語訳聖書では、一般的に「天使」と訳されていることが多いですが、聖教会では「神の使い」や「神使」とも表現されています。

聖書における御使いの役割

御使いに関する教えは、聖書の中では中心的な位置を占めるものではありませんが、その重要性は認識されています。旧約聖書と新約聖書のさまざまな箇所で言及され、神の計画における特別な役割を担っています。例えば、創世記やエゼキエル書、ダニエル書では神の使者として登場し、ルカによる福音書などでは直接的なメッセージを持って人間に告げる存在として描かれています。

新約聖書のヘブル書1章14節では、「御使いはみな、仕える霊であって、救いの相続者となる人々に仕えるために遣わされたのではありませんか。」と表現されています。また、ルカによる福音書15章10節では、悔い改めた一人の罪人に対する神の御使いたちの喜びが語られています。このように、御使いは神と人間の間での重要な媒介者として機能しています。

御使いの種類とカトリック教会の教え

カトリック教会では、御使いは最も優れた創造物の一つとされ、霊的には人間よりも賢明で力強い存在です。神に仕える聖なる存在であり、その中には善い天使と悪い天使（悪魔）が存在すると教えています。善い天使は神に忠実であり、その奉仕の役割は人々を守り、導くことです。本教会は、守護天使の存在をも信じており、各個人に特定の天使が与えられると考えています。彼らは善を勧め、悪から遠ざける存在とされ、その教えには聖書の根拠が示されています。

プロテスタントの理解

プロテスタントにおいても御使いの実在は認識されていますが、その教えに関しては自由主義神学との対比で認識されることが多いです。ジャン・カルヴァンをはじめとする宗教改革者たちは、御使いの役割と、その存在を守る教えについて語りますが、カトリックの教えには批判的であり、特に天使崇拝については警鐘を鳴らしています。一方で、今日の福音派の信者にとって、御使いは聖書全体を通して重要な存在であり、神の計画を見守る存在としての役割を持っていると考えられています。

天使崇拝の考察

聖書のコロサイ2:18や黙示録19:10では、天使崇拝が偽りの教えとして否定されています。このことから、御使いの崇拝は키リスト教においては誤りとされ、神以外のものに崇拝を捧げることは禁じられています。このように、御使いは神の使者としての地位が与えられているものの、神に対する忠実な奉仕者としての意味を保持しています。

結論

御使いは、聖書の中において重要な存在であり、様々な教義や信条においてその役割が語られています。善い御使いと悪い御使い、そしてそれに関する教えは、キリスト教信仰の中で深く根ざしており、今後も信者にとって重要なテーマであり続けるでしょう。

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