御成座

御成座（おなりざ）

御成座は秋田県大館市の御成町にある映画館で、多くの人に愛されている施設です。1952年に洋画の専門館として開館し、最初の上映作品はゲイリー・クーパー主演の『暁の討伐隊』でした。当時、大館市内にはこの映画館を含むわずか3館しか存在せず、その後の映画文化に大きな影響を与えました。

歴史の変遷

1955年には火災に見舞われ一度は閉館するものの、同年内に再建されました。1997年の『タイタニック』の上映では超満員の観客で賑わい、1990年代以降は成人映画を上映しながらも、多くの地域住民に親しまれてきました。しかし、経営難により2005年に再び閉館となりました。

その後、2010年にはアートイベント「ゼロダテ」のメイン会場として利用されたものの、長い間放置されていましたが、2014年には千葉県の電気工事会社が賃貸契約を結び、再度映画館としての運営を開始しました。約9年ぶりの再開により、再び多くの映画ファンが足を運ぶようになりました。

再開後は『ひまわり』や『幸福の黄色いハンカチ』といった名作の上映が行われるとともに、柴咲コウによるコンサートや地元アイドルグループ「まちあわせハチ公ガールズ」の公演も開催され、地域に活気をもたらしました。また、2017年からは『この世界の片隅に』や『人生フルーツ』などのミニシアター向け作品を含む新作上映も開始し、平日にも映画ファンの期待に応えています。

2019年には開館5周年を迎えようとするなか、資金不足から土地と建物が更地にされる危機に直面しました。しかし、クラウドファンディングを通じて多くの支援を受け、無事に土地と建物を購入し、映画館として存続することが保証されました。特に道の駅でのスノースクリーンシアターなど、新しい試みを通じて秋田県の映画文化を支える活動が行われています。

設備と特徴

御成座は約200席を擁し、典雅な雰囲気の中で映画を楽しむことができます。フィルム映写機での上映を続けており、新作映画はBlu-rayによる上映が行われています。音響設備に関してはDOLBY SRD-6chデジタルサウンドを整備し、最新の音響技術を駆使して映像と音楽の深い感動を伝えています。

映画館の入り口には、手描きの絵看板が飾られ、地域の温かさを感じさせます。ロビーには過去のポスターや映写機が展示されており、訪れる人々に映画館の歴史を伝えています。

まとめ

御成座は、地域の映画文化の根付いた存在であり、さまざまな活動を通じて地域コミュニティとともに成長を続けています。映画ファンにとって特別な場所であり、多くの人々がここで感動する作品に出会い、思い出を作っています。これからも御成座が地域文化の一端を担い続けることを期待したいです。

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