御所野遺跡

御所野遺跡

御所野遺跡は、岩手県二戸郡一戸町に位置する縄文時代の環状集落遺跡です。1993年に国の史跡に指定され、2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。

立地

遺跡は、山間部を流れる馬淵川の右岸、標高190～200メートルの河岸段丘に位置しています。周囲にはケヤキやブナなどの落葉広葉樹林が広がり、クリやドングリ、アケビなどが豊富に実ります。また、馬淵川ではサケやマスが遡上し、縄文時代の人々の食料源となっていました。

発掘調査と史跡指定

一戸町の農工団地造成計画に伴い、1989年から町教育委員会による事前調査が開始されました。調査の結果、遺跡の重要性が認められ、1992年に遺跡を保存し史跡公園として活用することが決定。1993年に国の史跡に指定されました。

遺跡の概要

遺跡の中心には配石遺構があり、その周囲に縄文時代中期後半の大規模集落が広がっています。集落には、竪穴建物や掘立柱建物、配石遺構などが配置され、当時の人々の生活の様子を垣間見ることができます。

台地では、奈良時代から平安時代初頭にかけて終末期古墳が構築されています。墳丘は失われていますが、馬蹄形の周溝を持つ古墳が20基確認されています。平安時代後期には集落が営まれ、竪穴建物や土坑、溝跡などの遺構が検出されています。中世には台地の西側が城館として利用された形跡もあり、竪穴遺構が見つかっています。これらのことから、縄文時代以降も継続的にこの台地が利用されてきたことがわかります。

縄文時代中期には、台地の東側、中央、西側の3地点で本格的な居住が始まりました。中央地点には環状配石遺構群と呼ばれる祭祀施設が構築され、集落は最盛期を迎えます。その後、縄文時代中期末葉まで、各地点で多数の建物が営まれました。集落全体では、500棟以上の竪穴建物が建てられたと推定されています。

1996年と1997年の調査では、遺跡西側で発見された焼失建物について詳細な調査が行われました。焼土や炭化材の出土状況から、土屋根を持つ建物であったことが判明し、縄文時代の建築技術の高さを物語っています。

御所野遺跡は、縄文時代の文化や生活を知る上で貴重な遺跡であり、多くの人々に親しまれています。

参考画像

[御所野遺跡の画像1]
[御所野遺跡の画像2]
[御所野遺跡の画像3]
[御所野遺跡の画像4]

関連項目

御所野縄文公園
縄文時代の遺跡一覧
北海道・東北地方の史跡一覧
北海道・北東北の縄文遺跡群

外部リンク

* 公式サイト

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