御霊神社 (大阪市)

御霊神社（大阪市中央区）

御霊神社は、大阪市中央区淡路町に位置する神社で、かつては府社でした。正面鳥居に掲げられた扁額には「御霊宮」と記されています。名称に「御霊」とありますが、一般的に知られる御霊信仰とは直接的な関係はありません。

歴史

850年、大阪湾岸の圓江（現在の靱）で実施された八十嶋祭の祭場である圓神祠に、瀬織津比売神、津布良彦神、津布良媛神が祀られました。その後、社は圓神社、圓江神社、津村神社と呼ばれるようになり、摂津国津村郷の産土神社となりました。創建当初は、現在の大阪市西区靱本町にある楠永神社の近辺に位置していました。

1594年、因幡国鹿野藩主の亀井茲矩が船場の自邸敷地の一部を寄進し、境内の小祠である乾八幡宮と源正霊神を本殿に合祀した上で、圓江から船場の現在地へ遷座しました。亀井茲矩はその後、因幡高草の白兎神社を再興しています。

江戸時代には、鎌倉権五郎景政を祀る五郎ノ宮、または「ごりょうのみや」とも呼ばれました。また、境内南側には十一面観音を本尊とする神宮寺の宝城寺が建立されました。1661年から1673年の寛文年間に御霊神社と改称し、1753年には正一位の神階を授けられました。

明治時代の神仏分離令により、御霊神社と宝城寺の境内は分割されました。その後、宝城寺は廃寺となり、現在では御霊神社の南側にある会社のビル前に鳥居のみが残っています。

1873年に郷社に列せられ、1884年には人形浄瑠璃の劇場「文楽座」が境内に開設され、「御霊文楽座」として近世文楽の黄金期を迎えました。しかし、1926年11月に御霊文楽座から出火し、本殿とともに焼失しました。

1930年に社殿が再建されましたが、1945年の大阪大空襲により再び焼失。現在の社殿は、1957年に再興されたものです。1959年には鳥居と玉垣が再建され、その後も往時の威容を取り戻すべく整備が進められています。

祭神

天照大神荒魂（瀬織津比売神）
津布良彦神（旧摂津国津村郷の産土神）
津布良媛神（旧摂津国津村郷の産土神）
応神天皇（広幡八幡大神）
源正霊神（鎌倉権五郎景政公霊）

境内

本殿 - 1957年再建
拝殿 - 1957年再建
社務所
東宮 - 皇大神宮、恵比須神社、猿田彦神社、摂社十二社（水神社・大雷社・龍神社・住吉社・菅原社・加藤社・多賀社・春日社・事平社・稲荷社・竈戸社・戸隠社）
松之木神社
大黒社
不動明王
儀式殿 - 1999年に御霊文楽座の跡地に建設。結婚披露宴や講習会などに利用
御霊文楽座の碑 - 境内ではなく門前に設置。「御霊文楽座跡」の石柱（大阪市建立）と、「文楽座之跡」のブロンズ製床本型の記念碑（大阪北浜船場ライオンズクラブ建立、1974年11月3日）

境外社

楠永神社 - 大阪市西区靱本町2-1

御旅所

堀江行宮 - 大阪市西区南堀江4丁目28-29。1780年より船渡御が行われていましたが、明治以降は陸渡御に変更。2011年に140年ぶりに船渡御が復活しました。

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