徳大寺実淳

徳大寺実淳（とくだいじ さねあつ）は、室町時代に活躍した公卿です。徳大寺家は代々朝廷に仕えた名門であり、実淳もその家系の流れを汲み、重要な地位を歴任しました。禅光院という号を持ち、法名は忍継と称しました。

略歴

文安2年（1445年）に徳大寺公有の子として生まれました。公有は歌道にも通じた文化人であり、実淳もその影響を受けたと考えられます。

寛正3年（1462年）8月5日には従三位に叙せられ、公卿としてのキャリアをスタートさせます。以降、着実に昇進を重ねていきました。

文明13年（1481年）には内大臣に任じられ、朝廷における政治の中枢に関わるようになります。内大臣の職は文明17年（1485年）まで務めました。

文明17年（1485年）5月4日には従一位に叙せられました。これは公卿として非常に高い位であり、実淳の朝廷における地位が確立されたことを示しています。

長享元年（1487年）には左大臣に任じられました。左大臣は太政大臣に次ぐ要職であり、実淳は政治家としての手腕を発揮しました。左大臣の職は明応2年（1493年）まで務めました。

永正6年（1509年）には太政大臣に任じられました。太政大臣は朝廷における最高の官位であり、名誉職としての意味合いも持っていました。実淳は永正8年（1511年）まで太政大臣を務めました。

永正8年（1511年）8月21日に出家し、政界から引退しました。出家後の消息については詳しい記録は残っていません。

天文2年（1533年）に薨去しました。

系譜

父：徳大寺公有
母：高倉永豊の娘
妻：不詳
男子：徳大寺公胤（1487-1526）
男子：日野内光（1489-1527）
女子：徳大寺維子（1481-1566） - 近衛尚通正室、徳大寺公維生母
女子：久我通言室
女子：仁木高長室？

徳大寺実淳は、室町時代の政治において重要な役割を果たした公卿の一人です。内大臣、左大臣、太政大臣といった要職を歴任し、朝廷を支えました。また、徳大寺家は文化的な家柄でもあり、実淳自身も文化的な素養を持ち合わせていたと考えられています。彼の子孫もまた、公家として朝廷に仕え、徳大寺家の伝統を継承していきました。

関連項目

徳大寺家：実淳が属した公家。
九条政基：室町時代の公卿であり、実淳と同時代に活躍しました。

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