久我通言

久我通言（こが みちのぶ）は、戦国時代の公卿であり、右大臣を務めた久我豊通の子として生まれました。久我家は村上源氏の流れを汲む名家であり、彼もまた、その血筋を受け継ぎ、朝廷で重要な役割を担いました。道号は柏仲。

経歴

長享3年（1489年）に叙爵して以降、彼は順調に昇進を重ねました。侍従、左近衛少将、左近衛中将といった官職を経て、文亀2年（1502年）には従三位となり、ついに公卿の仲間入りを果たします。その後も、永正3年（1506年）に権中納言、永正11年（1514年）に権大納言と、着実にキャリアを積み重ねていきました。

大永元年（1521年）には右近衛大将に任じられ、武官としても重要な地位を占めます。さらに、大永3年（1523年）には内大臣に任じられ、政治の中枢に関わることとなりました。大永4年（1524年）に右近衛大将を辞職。

享禄元年（1528年）には、ついに右大臣に上り詰めます。これは、彼にとって公卿としてのキャリアの頂点とも言える出来事でした。天文4年（1535年）には従一位に叙せられ、その地位を確固たるものとしました。

しかし、翌天文5年（1536年）に、父である豊通が亡くなると、彼は深く悲しみ、世を儚んで50歳で出家し、朝廷を去ってしまいます。栄華を極めた公卿が、突如として姿を消したことは、当時の人々にとって大きな驚きだったことでしょう。

系譜

父：久我豊通
母：不詳
妻：徳大寺実淳の娘
男子：邦通
生母不明の子女
女子：西園寺実宣室
養子
女子：慶子 - 細川高基の娘、近衛稙家政所
男子：晴通 - 近衛尚通の次男
男子：徳大寺公維 - 近衛尚通の末子、公式上は通言の次男。

子息の邦通が若くして亡くなったため、近衛家から晴通を養子として迎え、久我家を継がせています。また、徳大寺公維も養子として迎えられました。

久我通言は、戦国時代の激動の中、公卿として朝廷を支え、その生涯を終えました。彼の足跡は、日本の歴史に深く刻まれています。

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