徳安府

徳安府の詳細解説

徳安府（とくあんふ）は、中国の歴史において、湖北省孝感市を中心とした地域に設置された行政区分です。その歴史は北宋時代に始まり、元、明、清の各王朝を経て、中華民国初期まで存在しました。この間、徳安府は行政区画の変更や所属する省の変化を経験しながら、地域における重要な役割を果たしました。

北宋時代

1119年（北宋の宣和元年）、安州が徳安府に昇格したことが、徳安府の歴史の始まりです。当時、徳安府は荊湖北路に属し、安陸、孝感、雲夢、応城、応山の5県を管轄していました。この時期の徳安府は、地域における行政の中心地として、その後の発展の基礎を築きました。

元時代

元朝の時代に入ると、徳安府は河南江北等処行中書省の管轄下となりました。管轄する範囲にも変化があり、安陸、孝感、雲夢、応城の4県に加え、随州に属する随と応山の2県を合わせた、1州6県を管轄するようになりました。この変化は、行政区画の再編に伴うもので、徳安府の管轄範囲が拡大したことを示しています。

明時代

明朝初期の1376年（洪武9年）には、徳安府は一時的に徳安州に降格されました。しかし、1380年（洪武13年）には再び徳安府に復帰し、湖広省に属することになりました。この時の管轄は、直属の安陸、孝感、雲夢、応城の4県と、随州に属する応山県の計1州5県でした。明代には、徳安府の地位が再確立され、地域行政において重要な役割を担い続けました。

清時代

清朝時代になると、徳安府は湖北省に属し、安陸、雲夢、応城、応山の4県と随州の1州4県を管轄するようになりました。この時期の徳安府は、地域経済や文化の中心として、引き続き重要な役割を果たしました。清代を通じて、徳安府は安定した行政運営を行い、地域の発展に貢献しました。

中華民国時代

1913年、中華民国が成立すると、徳安府は廃止されました。これにより、徳安府の長い歴史に幕が閉じられ、新たな行政区画へと移行しました。徳安府が廃止された後も、その地域は湖北省の一部として、現在に至るまで発展を続けています。

まとめ

徳安府は、宋代から民国初期にかけて、現在の湖北省孝感市一帯に存在した行政区分であり、その歴史を通じて、行政区画の変更や所属する省の変化を経験しました。しかし、各時代において地域行政の中心として機能し続け、その歴史は中国の地方行政史を語る上で重要な一部となっています。

徳安府の変遷をまとめると以下のようになります。

北宋: 安州から徳安府に昇格。荊湖北路に属し、5県を管轄。
元: 河南江北等処行中書省に属し、1州6県を管轄。
明: 一時的に徳安州に降格するも復活。湖広省に属し、1州5県を管轄。
清: 湖北省に属し、1州4県を管轄。
* 中華民国: 廃止。

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