随州

随州（ずいしゅう）

随州は、中国の歴史において、現在の湖北省随州市一帯に存在した重要な州です。その起源は南北朝時代に遡り、隋、唐、宋、元、明、清という各時代を経て、中華民国初期まで存続しました。ここでは、随州の歴史を概観します。

歴史

南北朝時代

随州の前身は、西魏によって設置された并州でした。554年（廃帝3年）に并州は随州と改称され、その歴史が始まりました。

隋代

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、随郡が廃止され、随州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、随州は漢東郡と改称されました。

唐代

620年（武徳3年）、唐によって漢東郡は再び随州と改められました。742年（天宝元年）には再び漢東郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には漢東郡は随州の称に戻されました。唐代の随州は山南東道に属し、隋・光化・唐城・棗陽の4県を管轄しました。

宋代

967年（乾徳5年）、北宋により随州に崇義軍節度が置かれました。976年（太平興国元年）には崇信軍節度と改められました。宋代の随州は京西南路に属し、随・唐城・棗陽の3県を管轄しました。南宋初期には、南宋と斉や金との間で随州をめぐる争奪戦が繰り返されました。

元代

1237年、モンゴル帝国によって随州は占領されました。その後、南宋が一時的に奪回しましたが、1275年（徳祐元年）に元に降伏しました。元代の随州は徳安府に属し、随・応山の2県を管轄しました。

明清代

明清時代、随州は徳安府に属し、応山県を管轄しました。この時代には、随州は周辺地域における行政・経済の中心地としての役割を果たしました。

中華民国

1912年、中華民国が成立すると、随州は廃止され、随県と改められました。これにより、随州としての行政区画の歴史は幕を閉じました。

随州は、その長い歴史の中で、行政区画の変更や支配勢力の変遷を経験しながらも、その地域における文化や経済の中心としての役割を果たし続けました。その歴史は、中国の地方行政制度の変遷や、各時代の政治情勢を反映するものとして、重要な意味を持っています。

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