徳寧路

徳寧路（とくねいろ）について

徳寧路は、中国内モンゴル自治区ウランチャブ市周辺にかつて存在した地名です。この地域はモンゴル帝国とその後の大元ウルスの支配下に置かれていました。古くは「静安路」と呼ばれており、オングト部族の領土に位置していました。

歴史的背景

徳寧路の歴史は非常に不明瞭で、当時の行政区画についての詳細な記録は残されていません。『元史』の地理志には具体的な情報が欠けており、設置された年や地理的位置については未知な部分が多いのが現状です。しかし、記録に残された断片を元にいくつかの事実を浮かび上がらせることができます。

1305年には「黒水新城」という地名が「静安路」に昇格し、1318年には「静安路」という名称が「徳寧路」に改められました。この改名に関する具体的な理由は不明ですが、名称の変更は行政区分の重要な変遷を示すものと考えられます。

また、1331年には「徳寧路」がオングト部族長の王号である「趙王」の食邑に属していたことが記録されています。この時期に、沙井、浄州路、そして徳寧路で飢饉が発生したとも言われており、これにより徳寧路がオングト部族の遊牧地であった可能性を示唆しています。

明朝以降の状況

その後、朱元璋による明朝の設立以降、徳寧路に関する記録はほとんど見当たらなくなります。ただし、北元時代にアルクタイが晩年を過ごしたムナ山やチャガン・ノール地域は、以前に徳寧路が存在した場所であると考えられています。これにより、德寧路は明朝の成立以前の重要な地域であったことがわかります。

管轄県

徳寧路の行政区分は非常にシンプルで、唯一設置されていたのは「徳寧県」だけです。県の範囲や具体的な運営については記録がほとんど残っていないため、詳細を知ることは難しいですが、一つの県がこの地域の管理を行っていたことは明確です。

参考文献

地域の重要性や歴史を知る上で、以下の文献が値します。

• - 箭内亙『蒙古史研究』刀江書院、1930年
• - 和田清『東亜史研究（蒙古篇）』東洋文庫、1959年

このように、現在徳寧路が取り上げられることは少なくなっていますが歴史を探ることは、我々の知識や理解を広げるために重要な作業です。

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