徳山七士

徳山七士

徳山七士とは、幕末の徳山藩（現在の山口県周南市）において、尊王攘夷運動に奔走した7人の志士たちのことを指します。彼らは、時代の変革を求める情熱を持ち、藩政に深く関わりましたが、その活動は、藩内の保守派との対立を生み、悲劇的な結末を迎えることとなります。

七士の名前

徳山七士として知られるのは、以下の7名です。

兒玉次郎彦
江村彦之進
河田佳蔵
井上唯一
本城清
浅見安之丞
信田作太夫

禁門の変と七士の悲劇

元治元年（1864年）に勃発した禁門の変は、徳山藩にも大きな影響を与えました。変後、徳山藩の政権は保守派が掌握し、尊王攘夷派であった七士は失脚します。兒玉次郎彦と江村彦之進は暗殺され、河田佳蔵と井上唯一は捕縛後に処刑。本城清、浅見安之丞、信田作太夫も捕縛され、元治2年（1865年）に処刑されました。

藩論の回復と名誉回復

七士の死後、萩藩の家老である宍戸親基と前原一誠が徳山藩主・毛利元蕃に強く働きかけました。山崎隊の軍事力を背景に政権交代が実現し、藩論は尊王攘夷へと転換します。その後、毛利元蕃は七士の家を復興させ、遺族を手厚く遇しました。明治21年（1888年）には、毛利元蕃の尽力により、七士全員が明治天皇の命によって靖国神社に合祀されるという名誉を受けました。明治31年（1898年）には、七士全員に従四位が贈られています。

現在の顕彰

周南市の児玉神社には、七士の功績を讃える顕彰碑と、従四位追贈の碑が建立されています。これらの碑は、七士の遺志を後世に伝えるとともに、彼らの愛国心と犠牲を偲ぶ場所となっています。

まとめ

徳山七士は、幕末の激動期において、尊王攘夷という理想を追求し、若くして命を落とした悲劇の志士たちです。彼らの行動は、徳山藩の歴史に大きな影響を与え、明治維新への流れを加速させる一因となりました。彼らの名は、今もなお、周南市の人々に語り継がれています。


参考文献
徳山市史

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