トクヤマ

株式会社トクヤマについて

株式会社トクヤマ（Tokuyama Corporation）は、日本を基盤とした大手の総合化学工業メーカーです。本社は山口県周南市に位置する徳山製造所にあり、東京都千代田区にも東京本部を設置しています。同社は周南市と茨城県に製造拠点を持つほか、茨城県つくば市には研究所を構えています。日経平均株価の構成銘柄の一つとしても知られています。

組織とグループ関係

トクヤマは、三水会や水曜会、みどり会といった斡旋団体に属し、三和グループに属する企業です。また、最勝会グループにも関連し、旧岩井商店と結びつきがあります。これにより、同社の業務ネットワークは広がり、他企業との連携を強化しています。

事業内容

トクヤマは、もともと電解ソーダを中心としたナトリウム部門が主力事業でした。加えて、セメント製造分野では「トクヤマ」ブランドを展開しており、特に山口県と九州での知名度は高いです。近年では、石油化学関連の事業にも力を入れており、特に高純度ポリシリコンの生産では世界第2位の規模を誇ります。その高純度、なんと99.999999999%（イレブンナイン）という驚異的な数値を持っています。

1982年には家庭用品分野に進出し、除湿剤「水とりぞうさん」を発売しました。この製品は今でも高いシェアを誇りますが、2004年には家庭用品部門をオカモトに譲渡し、以降は同社が製造・販売を行っています。また、過去には新日鐵化学や南部工業と共同でプラスチック形成加工事業に参加しましたが、最終的には資本撤退を行いました。

経営の課題

2009年、トクヤマは太陽電池用シリコンの生産に大きな投資を行いましたが、急激な市場価格の変動によって厳しい状況に直面しました。特に、マレーシアに建設した多結晶シリコン工場が売上を見込む前に稼働できず、2015年には748億円の減損処理を行いました。これにより最大の赤字を計上し、経営改革を余儀なくされました。この状況を受け、社長の辞任や東京本部の規模縮小も行われました。

さらに、2016年も赤字続きで、財務の立て直しが急務でした。この年、世界的な不況の中で大手銀行からの出資を受け入れながら、経営の再生に取り組んでいきました。最終的には2016年9月にマレーシア工場を韓国のOCI Company Ltd.に売却することを決定しました。

会社の歴史

トクヤマの歴史は1918年にさかのぼります。関西貿易業界の重要人物、岩井勝次郎によって設立された日本曹達工業株式会社がその始まりです。以降、1936年に商号を変更し、1949年には東京証券取引所に上場。1994年には現在の商号に変更しました。会社設立100周年を迎えた2018年には、企業としての歩みをさらに強化していく姿勢を見せています。

主要拠点

トクヤマの主要な拠点には、東京本部や大阪オフィス、広島支店、高松支店、福岡支店などがあります。また、山口県周南市の徳山製造所や茨城県の鹿島工場、つくば研究所があり、製造と研究の両面で多角的な事業を展開しています。現在、55社の子会社と30社の関連会社を有し、さらに成長を続けています。

不祥事および社会的課題

2015年には、トクヤマの社員が業務過多による自殺をしたとして、遺族が同社を訴えるという事態も発生しました。この問題は企業としての社会的責任を再考させる契機となりました。

本社を中心に多様な事業活動を展開しているトクヤマは、今後も業界内での位置を深化させながら、経営課題に対処し続ける必要があります。

もう一度検索