徳山日出男

徳山日出男について

徳山日出男（とくやま ひでお）は、1957年1月22日生まれの日本の建設・国土交通技官です。元国土交通事務次官であり、現在は国土技術研究センターの理事長、そして日本道路協会の会長という要職を担っています。

生い立ちとキャリアの初期

徳山氏は岡山県で生まれ、岡山市中心部で育ちました。灘高等学校を経て、1979年に東京大学工学部土木工学科を卒業後、建設省に入省しました。入省当時から、その才能は高く評価され、「将来の事務次官候補」と目されていたと言われています。

高度道路交通システム（ITS）への貢献

建設省時代には、「ミスターITS」と呼ばれるほど、高度道路交通システム（ITS）の推進に尽力しました。ETC（自動料金収受システム）やカーナビゲーションシステム、ドライバー向けの安全運転支援システムなど、道路交通の効率化と安全性の向上に大きく貢献しました。これらの技術は、今日の私たちの生活に欠かせないものとなっています。

東日本大震災での活動

2011年3月11日に発生した東日本大震災当時、徳山氏は東北地方整備局長を務めていました。震災発生直後から、被災地での道路啓開作業を指揮し、「くしの歯作戦」と呼ばれる迅速な復旧活動を推進しました。この活動は、被災地の復興に不可欠であり、徳山氏のリーダーシップと実行力が発揮された事例として知られています。2013年に霞が関に戻るまで、復興事業に尽力しました。

国土交通事務次官としての活躍

2015年、徳山氏は国土交通事務次官に就任し、日本の国土交通行政のトップとして活躍しました。2016年に退官するまで、様々な政策課題に取り組み、日本のインフラ整備や交通システムの発展に貢献しました。

現在の活動

退官後は、国土交通省の顧問や大手広告代理店である電通の顧問、執行役員社長補佐などを歴任しました。現在は、国土技術研究センターの理事長として、建設技術の発展と普及に努めるとともに、日本道路協会の会長として、道路政策の推進に貢献しています。

著作活動

徳山氏は、著述家としても活動しており、モビリティやITに関する著作を多数発表しています。代表的な著書には、『マルチメディア・クライシス : モビリティをめぐる日米欧の標準化戦争』、『知能道路2001 : Smartway』、『ITS早わかり読本 : 車のIT革命 : 基礎からビジネス発想まで』、『行政経営の時代』などがあります。これらの著書は、高度道路交通システムや行政経営に関する深い知見を提供しており、専門家や一般読者からも高い評価を得ています。

年表

1979年3月：東京大学工学部土木工学科卒業
1979年4月：建設省入省
1991年1月：建設省道路局企画課長補佐
1996年4月：アメリカ合衆国連邦道路庁国際研究員
1997年4月：建設省道路局企画課建設専門官
1999年4月：建設省北陸地方建設局新潟国道工事事務所長
2004年2月：博士（工学）（東京大学）取得
2005年4月：国土交通省関東地方整備局道路部長
2007年：国土交通省道路局地方道・環境課長（現環境安全・防災課長）
2008年7月：国土交通省道路局企画課長
2011年1月：国土交通省東北地方整備局長
2013年8月：国土交通省道路局長
2014年7月：国土交通省技監
2015年7月：国土交通事務次官
2016年6月：退官、国土交通省顧問
2017年1月：電通顧問就任
2020年1月：電通執行役員社長補佐
2022年1月：電通ジャパンネットワーク執行役員社長補佐、電通総研所長
* 2022年6月：国土技術研究センター理事長

徳山日出男氏は、その卓越したリーダーシップと専門知識で、日本の国土交通行政と技術の発展に大きく貢献してきた人物です。彼のこれまでの業績と今後の活躍に、引き続き注目が集まります。

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