徳島市交通局

徳島市交通局の概要

徳島市交通局は、徳島県徳島市が運営する公共交通機関として、路線バスサービスを提供しています。1960年代には一日平均約9万2,605人の利用者数を記録するなど、地域の交通の要として長年にわたって市民の足となってきました。しかし、モータリゼーションの影響を受け、次第に利用者が減少し、経営には苦しさが伴っています。

歴史と運行状況

市営バスの運行は1929年に始まりました。その結果、徳島市内には広範な路線網が形成され、様々な地域へアクセスが可能となりました。しかし、現在も運行を行っていないエリアがあります。特に徳島市応神町や国府町西部は、徳島バスのみが運行しており、利用可能な路線が限られています。

ピーク時の1960年代から現在にかけて、利用者数は高齢者や財政事情による影響が強く出ており、経営の厳しさに直面しています。市交通局の経営について行われた調査では、利用者数は昭和40年代からほぼ毎年減少していることが明らかになりました。また、退職金の支払い増加や固定経費の問題も経営を圧迫しています。

経営改善への取り組み

市交通局は人件費や不採算路線の削減策を講じ、運営コストを削減しています。それに伴い、現在の走行キロ数はピーク時の約1/3にまで減少しました。また、循環バスの運行を開始し、新たな収入源の確保にも取り組んでいますが、利用者数の減少が続く中で、経営は依然として厳しい状況です。

2014年度の平均利用者数は1万418人と少なく、これに伴い毎年発生する経常赤字の解消には限界があります。さらに、一般会計からの補助金依存が強く、徳島市本体の財政事情も厳しいため、軽減措置を講じなければならない状況です。

廃止計画と路線再編

徳島市交通局は、2028年度末を目途に路線をすべて民間に委託する計画を発表しています。現在運行されている4路線は、民間事業者と共同運行または完全移行が予定されています。市民にとっては身近な交通手段である一方で、経営の厳しさから見直しが進められている現実があります。

2011年以降、路線再編も進められており、様々な変化が見られます。例えば、循環路線の新設や、旧来の系統の統合が行われ、より利用しやすく見直されているほか、民間委託が進行中です。実際、新たに導入された小型ノンステップバスなども運行されています。

特色ある取り組み

ユーフォーテーブルとのコラボレーションによるアニメラッピングバスの運行も特徴的です。人気アニメの要素を取り入れたバスは、地域のイベントと連携し、市民や観光客の注目を集めています。数年毎に異なるアニメ作品とコラボし、特別な運行を行うなど、話題性を持つ取り組みです。

結論

徳島市交通局は長い歴史を超え、地域社会に貢献し続ける一方、厳しい経営環境に置かれています。未来に向けての税金の使い道や地域交通のあり方についての議論が続いており、今後の動きが注目されるところです。市民の移動手段を保ちつつ、新たな運営モデルへの移行が求められています。

もう一度検索