徳島銀行

徳島銀行：地域に根ざした第二地方銀行の歩みと統合

徳島銀行は、徳島県を拠点とする第二地方銀行として、長年にわたり地域経済の発展に貢献してきました。その歴史、経営統合、そして後継銀行である徳島大正銀行への発展について、詳細に見ていきましょう。

堅実な地域密着経営

旧徳島相互銀行を前身とする徳島銀行は、徳島県内における主要な金融機関として、県内企業の成長を支えてきました。特に、徳島県を基盤としながらも、四国各地や阪神地方にも多くの店舗を展開し、幅広い顧客層にサービスを提供していました。県内企業の1,652社をメインバンクとして抱え、県内シェア19.1％を誇るなど、地域経済における存在感は非常に大きかったと言えるでしょう。2015年には、約40億円を投じて新本店ビルを竣工。近代的な設備と体制を整え、さらなる発展を目指していました。

経営統合と合併：トモニホールディングスと大正銀行

徳島銀行は、2010年に香川銀行とともに金融持株会社「トモニホールディングス」を設立。経営統合を進める中で、2016年には大阪市の第二地方銀行である大正銀行も傘下に迎えました。この経営統合は、単なる資本提携にとどまらず、将来的な合併も視野に入れた戦略的なものでした。

その後、コスト削減効果と事業領域のシナジー効果を狙い、2018年には大正銀行との合併を発表。合併後の新銀行名は「徳島大正銀行」と決定され、本店所在地は現在の徳島銀行本店となりました。2020年1月1日、合併が完了し、徳島大正銀行として新たなスタートを切りました。この合併は、それぞれの銀行の強みを活かし、顧客へのサービス向上を目指すものでした。徳島銀行の事業性融資や中小企業取引に対するノウハウと、大正銀行の住宅・不動産分野における専門性を融合することで、より幅広い金融サービスを提供できる体制を整えたのです。また、徳島と大阪という経済圏の結びつきを活かし、ビジネスマッチングやM&Aなどの仲介を通じて顧客へのメリット創出も目指していました。

店舗ネットワークと営業戦略

徳島銀行は、県内63店舗をはじめ、大阪府、兵庫県、東京都、香川県、愛媛県、高知県などに81店舗を展開していました。2014年には、東京地区を新たな戦略エリアと位置づけ、店舗網の拡大を図りました。店舗統合においては、効率性を重視し、ブランチインブランチ方式を採用したケースもあります。

長い歴史と地域貢献

徳島銀行の歴史は長く、1918年の富岡無尽合資会社設立にまで遡ります。相互銀行、普通銀行と形態を変えながら発展し、1990年には大阪証券取引所、1996年には東京証券取引所市場第一部に上場を果たしました。地域貢献活動にも積極的に取り組んでおり、四国の地方銀行・第二地方銀行として初めてISO14001を取得したほか、環境保全活動や地域社会への貢献活動にも積極的に参加していました。

情報処理システムと金融サービス

徳島銀行は、四国の第二地方銀行4行（徳島銀行、香川銀行、愛媛銀行、高知銀行）によるATMネットワーク「4 YOU NET」を構築し、相互利用手数料の無料化など、顧客利便性の向上に努めていました。また、三菱UFJ銀行との提携により、一部ATM手数料の無料化も実現していました。

まとめ：地域と共に歩んだ銀行

徳島銀行は、地域に密着した経営と堅実な事業運営により、地域経済の発展に大きく貢献しました。大正銀行との合併は、新たなステージへの進化であり、徳島大正銀行として、その歴史と伝統を受け継ぎながら、更なる発展が期待されます。その歴史と貢献は、徳島、そして四国地方の経済史に刻み込まれるでしょう。

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