徳川林政史研究所

徳川林政史研究所について

徳川林政史研究所は、東京都豊島区目白にある公益財団法人徳川黎明会に属する研究機関です。この研究所は、日本の林業史に関する研究、特に尾張徳川家が所蔵していた文献資料の保存と公開を主な活動としています。

歴史

研究所の起源は、1923年に尾張徳川家19代当主の徳川義親が私邸内に設置した林政史研究室に遡ります。義親は、尾張藩が領有していた木曽の経営史、特に林政史の研究に力を注ぎました。1931年には、この研究室は徳川黎明会の蓬左文庫附属歴史研究室に改組されました。

1950年、蓬左文庫が名古屋市に移管される際、附属歴史研究室は独立し、徳川林政史研究所として新たに発足しました。この際、研究所は義親の邸宅内に残り、現在に至ります。設立当初から、研究所は『木曾の村方の研究』や『尾張藩石高考』などの重要な研究書を出版しています。

2.26事件関連文書

研究所は、2.26事件に関連する重要な文書も所蔵しています。事件当時、徳川義親は反乱軍の将校と接触を図り、事件後に警察の取り調べを受けました。また、軍事裁判で法務官を務めた小川関治郎が旧尾張藩士であった縁から、義親邸を訪れて事件の情報を伝えていました。その繋がりから、小川は2.26事件の裁判関連資料を義親邸に持ち込み、研究所に保管されることとなりました。これらの資料は現在も未公開のままです。

現在の活動

現代の徳川林政史研究所は、近世経済史研究の基礎となる資料の保存と公開に注力しています。特に、江戸時代の尾張藩の林政史を中心とした研究を行い、尾張藩や江戸幕府に関する史料の整理と公開を積極的に進めています。また、豊島区教育委員会と協力して公開講座を開催するなど、教育普及活動にも熱心に取り組んでいます。

機関誌

研究所は、1967年3月から年1回、機関誌『徳川林政史研究所紀要』を刊行しています。2015年3月以降は、徳川美術館の論文や研究と合わせて『金鯱叢書』に掲載する形式で刊行されています。

その他の情報

研究所の活動は、林政史研究だけでなく、徳川家の歴史や文化に関する研究にも貢献しています。所蔵する資料は、歴史研究者にとって非常に貴重なものであり、日本の歴史を深く理解する上で欠かせない存在です。

関連人物

• - 所三男（元所長）
• - 大石慎三郎（元所長）

外部リンク

• - 研究所の公式ウェブサイト'>公式ウェブサイト
• - 研究紀要タイトル一覧
• - 研究論文のダウンロードコーナー

この研究所は、日本の歴史と文化を後世に伝えるために、重要な役割を果たしています。その活動は、学術的な価値だけでなく、教育や文化の発展にも大きく貢献しています。

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