徐脈

徐脈について

徐脈とは、心拍数が正常の範囲よりも低くなる状態を指し、主に成人において安静時の心拍数が50回未満である場合に定義されます。通常、成人の心拍数は毎分60〜75回（bpm）ですが、これが50 bpm未満になると徐脈と見なされます。徐脈の状態は、脳や体に必要な血液を十分に送れなくなるため、様々な症状を引き起こすことがあります。具体的には、めまい、失神、ふらつきなどといった影響が見られることがあります。さらには、理解力や記憶力の低下も見られることがあり、これが進行すると認知症に似た症状が出ることもあります。このような状態の場合、適切な治療が重要です。

徐脈の原因

徐脈の原因としては、主に以下の二つが挙げられます。

1. 洞機能不全症候群：これは、心臓のペースメーカーである洞結節からの電気信号の発信が正常に行われない状態を指します。この障害により、心臓の収縮が適切に制御されなくなります。
2. 房室ブロック：心房から心室へと信号が正しく伝達されないか、伝達が遅れることによって引き起こされます。この場合も心臓の拍動が減少し、徐脈が生じます。

この他には、副交感神経の一時的な緊張や特定の薬物の副作用も原因になる場合があります。たとえば、抗不整脈薬や抗うつ薬、また高血圧や狭心症の治療に使用される薬が影響を与えることがあります。これらの薬を中止することで徐脈は改善されますが、薬の投与が必要な場合にはペースメーカーの設置が検討されることになります。

治療法

徐脈の治療は、その原因次第で異なります。進行性の疾患や心筋梗塞、先天性心疾患、心筋症など、不可逆的な理由によって心不全や脳虚血を合併している場合、心臓ペースメーカーが不可欠となります。これにより心拍数を調整し、正常な血流を確保することが可能になります。

医療用語には、「ブラディ」という呼び名もありますが、これは英語の「bradycardia」を縮めたものです。

関連項目

徐脈は、不整脈や心疾患、心拍数に関する重要なトピックであり、一般的に知られているものでは、心拍計や動悸、心臓病といった関連項目があります。また、スポーツ心臓として知られる現象も、特にアスリートにおいて徐脈が通常的に見られる場合があり、特に治療が必要とされることは少ないです。最終的には、徐脈を引き起こす多様な要因や、その管理方法に関して深く理解することが、適切で効果的な治療へとつながります。

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