必殺!5 黄金の血

必殺! 5 黄金の血

『必殺! 5 黄金の血』は、1991年に公開された劇場版必殺シリーズ第6作。松竹、朝日放送、京都映画撮影所が製作し、舛田利雄が監督を務めた作品です。テレビシリーズ『必殺仕事人・激突!』の世界観を踏襲しつつ、劇場版ならではのスケール感と豪華なゲストを迎えて制作されました。

概要

本作は、レギュラー放送が復活した『必殺仕事人・激突!』と並行して企画された劇場版で、前作『必殺4 恨みはらします』と同様に、タイトルロゴから「!」が省略されています。監督には、必殺シリーズ初参加となる舛田利雄を起用。ゲストには、山本陽子、名取裕子といった豪華キャストが名を連ねています。

音楽面では、従来のBGMが一新され、ステレオ録音によるニューバージョンが使用されました。この新録音版は、後の『主水死す』、『三味線屋・勇次』でも使用されています。ロケ地には、浜松市、二条城、大覚寺、姫路城、近江八幡などが協力しています。

企画段階

実際に制作された『黄金の血』以外にも、複数の『必殺5』としての企画案が存在しました。

『必殺!5 最後の仕事人』：深作欣二監督が手掛ける予定でしたが、テレビシリーズの中断により頓挫。
『必殺剣劇人』：工藤栄一監督によるもので、『必殺剣劇人』をベースにした企画。
『必殺!5 仕事人大集合』：大物キャストを配した企画でしたが、『必殺仕事人・激突!』の再開を受けて変更。

あらすじ

佐渡金山から脱走した人足の鎮圧を目的とする地獄組。彼らの手引きで、無宿人たちが脱走し、献上金を積んだ船を占拠します。金座・後藤家は、金相場への影響を懸念し、事件の口外を禁じます。

後藤家に奉公するお浅は、恋人の与七が乗った船が沈む夢を見ますが、それは現実となります。足を洗っていた政は、お浅の頼みで砂丘へ向かい、そこで与七と再会しますが、彼は政を殺そうとします。おむらの手によって与七は命を落とし、政はお浅に夢だったと諭します。

事件をきっかけに、後藤屋は地獄組に口封じを依頼。おむら配下の仕事人たちは、次々と地獄組に倒されます。政とお浅も追われ、辛くも逃げ切りますが、おむらを逃がすために他の仕事人は命を落とします。翌朝、秀は砂丘を歩くお浅を目撃します。

キャスト

中村主水：藤田まこと
飾り職人の秀：三田村邦彦
お歌：光本幸子
夢次：山本陽一
中村せん：菅井きん
中村りつ：白木万理
さだ：麻丘めぐみ
政：村上弘明
鎌イタチのおむら：名取裕子
蝶々の朝吉：大沢樹生
お浅：酒井法子
後藤千勢：山本陽子
後藤分家・三之助：岸部一徳
太田玄蕃頭：西岡徳馬
赤目：天本英世

スタッフ

監督：舛田利雄
製作：櫻井洋三、山内久司
脚本：吉田剛
音楽：平尾昌晃
* 撮影：石原興

備考

本作では、朝吉の設定が過去作から変更されており、夢次の使用する火鉄砲も連射式に変わっています。また、脚本段階では、地獄組首領・赤目の奇抜な演出案がありましたが、過去の失敗例から却下されています。

主題歌は、藤田まことの「月が笑ってらぁ」が使用されています。

もう一度検索