必殺仕事人V・風雲竜虎編

『必殺仕事人V・風雲竜虎編』

『必殺仕事人V・風雲竜虎編』は、1987年3月13日から7月31日まで、テレビ朝日系列で金曜日の22:00から22:54に放送されたテレビ時代劇です。本作は、朝日放送と松竹（現・松竹撮影所）の共同制作によるもので、全19話が放送されました。主な役どころには、藤田まことが演じる中村主水が起用されています。本作は必殺シリーズの第28作目であり、必殺仕事人シリーズの第8作、中村主水シリーズの第14作でもあります。

概要

本作は、前作『必殺仕事人V・旋風編』が低視聴率と出演者降板により短期間で打ち切りとなったことを受けて制作されました。旋風編から続投する要素もあるものの、新たに三浦友和や桂朝丸（現・2代目桂ざこば）がキャストに加わりました。視聴率は持ち直しを見せましたが、次作『必殺剣劇人』で15年続いた必殺シリーズは休止する運びとなります。

あらすじ

物語は、仲間である夜鶴の銀平と西順之助を失った百軒長屋の事件から1年後が舞台です。中村主水は、富岡八幡宮へ続く橋の番所で、通行料の接収係として配置換えされます。ある日、仕事人の元締である柳島の茂兵衛が殺害され、彼の持っていた仕事人の名簿が奉行所に流出したことで、大規模な仕事人狩りが始まります。これにより、江戸の仕事人たちは主水が裏切ったと考え、彼の命を狙うことになります。

大道芸人の影太郎をパートナーとして戻ってきたお玉も、この騒動に巻き込まれ、主水に問いただしますが、主水は自らの潔白を証明することができません。しかし、影太郎は主水の無実を感じ取り、真相を探るうち、黒幕が松平葵の紋の殿様とお絹であることを突き止めます。

彼らを葬るため、主水、政、影太郎、お玉は協力し、新たな仕事人グループを結成し活動を開始します。

概説

本作では、主人公たちは依頼を受ける際に絵馬坊主の蝶丸を通じて頼み人の思いを受け取ります。蝶丸は、一見すると仕事を斡旋する元締とは異なり、仲介役として機能します。依頼を受ける際、頼み人は蝶丸の住む夜叉堂で、恨みを解消したい相手の名を書き込むという仕組みです。この過程は依頼人の全財産を蝶丸に賽銭として支払うことで成立し、仕事人への依頼が行われます。依頼を受ける流れは他の作品と異なり、全話を通じて前半に行われるのが特徴です。

また、依頼人には「嘘偽りがあれば天罰ただちに我が身に返る」という警告が伝えられ、誤解が生じた場合には依頼の取り消しも受け入れる柔軟さが描かれています。ただし、神頼みの形を取っているため、通常とは異なる依頼も受けることになり、物語は進展していきます。

登場人物

• - 中村主水（演：藤田まこと）：南町奉行所の同心で、左遷された状態の中でも信念を持って生きる。
• - 鍛冶屋の政（演：村上弘明）：裏稼業から足を洗っていたが、誤解から仕事に復帰し、主水と共に活動。
• - かげろうの影太郎（演：三浦友和）：大道芸人として活躍し、冷静な判断力を持つ。
• - お玉（演：かとうかずこ）：仕事人の密偵で情報収集を担う。
• - 絵馬坊主の蝶丸（演：桂朝丸）：頼み人からの依頼を受ける仲介役。

このように『必殺仕事人V・風雲竜虎編』は魅力的なキャラクターと緻密なストーリー展開によって、多くのファンに支持されてきました。

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