必殺仕掛人 (映画)

概要

1973年6月9日に公開された『必殺仕掛人』は、日本の時代劇映画であり、松竹によって制作されました。これは、同名のテレビシリーズの人気を受けて生まれたものであり、映画としては第1作目となります。続けて、1973年9月29日に公開された第2作『必殺仕掛人 梅安蟻地獄』、1974年2月16日に公開された第3作『必殺仕掛人 春雪仕掛針』も展開されました。

シリーズ全体として、オリジナルエピソードが多かったテレビ版とは異なり、映画では原作小説を基にし、様々なアレンジが施されています。特に映画版のキャストやストーリー展開において、テレビ版との違いが大きく見られます。シリーズを通じて、音羽屋半右衛門というキャラクターは山村聡によって演じられ、彼のナレーションは映画の雰囲気を際立たせました。

第1作：必殺仕掛人

『必殺仕掛人』は、テレビ版の大人気を背景に制作された劇場版第1作です。主人公の藤枝梅安を田宮二郎、そして西村左内を高橋幸治が演じています。半右衛門はテレビ版と同様に山村聡が担当し、復帰した形となりました。今回は、梅安の妾であるおもんが新たに登場し、ひろみどりが演じています。

この映画は池波正太郎の原作を基にしており、特に「おんなごろし」と短編「梅雨の湯豆腐」を組み合わせた内容になっています。ただし、梅安が自身の妹を手にかける展開では、彼が妹であることを最後まで自覚しないという独自のアレンジも施されています。

主なキャスト

• - 藤枝梅安 - 田宮二郎
• - 西村左内 - 高橋幸治
• - 岬の千蔵 - 津坂匡章
• - お吉 - 野際陽子
• - 半右衛門 - 山村聡

第2作：必殺仕掛人 梅安蟻地獄

第1作の好評を受けて制作された第2作は、『梅安蟻地獄』として知られています。この作品では、梅安を緒形拳、左内を演じるキャストが変更され、林与一が小杉十五郎を演じることで新たなコンビネーションを見せました。この中で、左右の関係性の再構築を試みることがシリーズの見どころとなっています。

特に、仇役として登場する商人たちの駆け引きが観客の目を引き、切迫感のあるストーリー展開を生み出しています。新たなキャラクターとしての小杉十五郎も存在感を示しています。

第3作：必殺仕掛人 春雪仕掛針

シリーズの最終作となる第3作は、『春雪仕掛針』です。この映画では、岩下志麻を仇役として迎え、全く異なるオリジナルのストーリーが展開されます。第2作に引き続き、梅安を緒形拳、十五郎を林与一が演じ、キャストの一貫性を保っています。

ここでは、梅安が妹を殺してしまったという認識を持っているという新たな要素が加わります。また、池波正太郎の原作小説「鬼平犯科帳」のキャラクターも登場し、さらなる深みを与えています。

シリーズの魅力

全体を通じて『必殺仕掛人』シリーズは、ストーリーの重厚さやキャラクターの深み、そして時代背景の表現が評価され、多くのファンに愛され続けています。定期的に新たな作品がリリースされ、現代の映画ファンにも親しまれています。各作品は松竹からDVDとしても販売されており、過去の名作を今でも楽しむことができる仕組みが整っています。

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