忌火起草

忌火起草（イマビキソウ）

「忌火起草」は、セガとチュンソフトが共同で開発したホラーサウンドノベルゲームです。2007年10月25日にPlayStation 3向けにリリースされ、後にWiiやiOS版も展開されました。このゲームは、心理的な描写を重視したストーリー展開や、リアルなキャラクターのビジュアル、豪華な音声キャストなど、プレイヤーを引き込む要素がたくさんあります。

概要

この作品は、文とセリフが明確に区別されており、テキストによる細やかな心理描写と、声優によるキャラクターのセリフが音声出力される仕組みを採用しています。また、実写映像やCGが組み合わさった独自の構成が、プレイヤーに新しい体験を提供します。特筆すべきは、PS3版ではドルビーデジタル5.1chに対応しており、Wii版も独自の音響演出が施されています。2008年には、「忌火起草 解明編」が新シナリオを追加してWiiに登場し、さらに2012年にはiOS版も発売されました。

あらすじ

物語は、主人公の弘樹が大学で一目惚れした女性、愛美との関わりを中心に進んでいきます。愛美には交通事故で亡くなった彼氏の京介がいましたが、彼の死後、愛美は悲しみに暮れます。弘樹は、愛美が参加しない野草研究サークルのキャンプには参加しなかったものの、そこに「イマビキ草」という不気味な花が咲いていることを耳にします。この花の花言葉は「悔恨」。キャンプ中に起きた事件や、事故の犠牲者となった大学生たちの不審な死が物語の核心を掘り下げていきます。

弘樹は、愛美やサークルの仲間たちと共に、様々な恐怖体験を通じて次第に謎に迫ります。サークルのメンバーが飲んだ薬「ビジョン」が事件の鍵を握っており、成分が古い薬「今惹湯」に酷似していることが判明します。この薬は、過去に致命的な副作用を持ち、亡くなった亜美にまつわる呪いが隠されています。

登場人物

• - 牧村 弘樹（声 - 林勇）: 本作の主人公で、愛美に恋心を寄せている。
• - 早瀬 愛美（声 - 本名陽子）: 哀しみを抱えたヒロインで、成績優秀。
• - 皆川 香織（声 - 大前茜）: おっとりしたサークルメンバーで、弘樹に想いを寄せている。
• - 渡辺 正人（声 - 櫛田泰道）: 弘樹の親友であり、サークルの中で初めての犠牲者。
• - 中森 健吾（声 - 杉山大）: オカルトに山な気を使うサークルのトラブルメーカー。
• - 和泉 飛鳥（声 - 四宮豪）: 冷静かつ理知的なリーダー的存在。

スタッフ

本作には、監督や脚本家を含む豊富なスタッフが名を連ね、独創的な世界観を形作っています。監督の中嶋康二郎を始め、シナリオディレクションやアートディレクションには経験豊かなメンバーが参加し、プレイヤーに強い印象を与えます。

評価と影響

「忌火起草」は、ゲーム誌「ファミ通」でゴールド殿堂入りを果たすなど、高い評価を受けました。また、リリース後にはデモ版が配信されたり、関連するアトラクションも展開されたりするなど、多方面に影響を与えました。ホラーサウンドノベルの銀河系に新たな風を吹き込んだ本作は、多くのプレイヤーに記憶され続けています。

ゲームの雰囲気と緊迫感は、音響効果や映像演出によって強調されており、現在においても多くのファンから愛され続けています。

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