忍びの者 新・霧隠才蔵

忍びの者 新・霧隠才蔵

『忍びの者 新・霧隠才蔵』は、1966年に大映が制作した日本映画で、森一生が監督を務めている。市川雷蔵が主演するこの作品は、忍びの者シリーズ全8作品のうち第7作目にあたる。タイトルこそ同じく霧隠才蔵が主人公であるが、設定は過去の第4作から第6作とは大きく異なり、無関係な物語が展開される。

作品の背景

物語は大阪夏の陣で豊臣家が滅びた後の時代を舞台にしている。時は移り、徳川家康は将軍職を辞し、駿府城で隠居生活を送っていた。しかし、彼は伊賀忍者の根絶を企てており、風魔一族の風魔大十郎を使って行動を開始する。一方で、伊賀忍者の残党である霧隠才蔵や音羽弥藤次、鴉佐源太といった忍者たちは、家康を暗殺する決意を固めていた。

あらすじ

物語は、霧隠才蔵たちが家康を襲撃すべく城の絵図を手に入れるところから始まる。彼らは巧妙に計画を立て、徳川家康を狙う。しかし、風魔大十郎の策略によって、彼らの行動は容易には進まない。激しい戦いと策略が交錯する中、忍者たちは生き残りをかけて家康の城に潜入しようとする。果たして、彼らは家康を討つことができるのか、そして友情や裏切りといった人間ドラマがどのように展開されるのかが見どころだ。

キャスト

主演の霧隠才蔵を演じたのは、市川雷蔵である。脇を固めるキャストには、藤村志保が演じるあかね、楠侑子が演じる弥生、田村高廣の風魔大十郎、千波丈太郎の鴉佐源太など、多彩な面々が揃う。特に、キャストの演技は緊迫した戦闘シーンを引き立て、物語のテンションを高めている。

スタッフ

本作の演出は森一生が担当し、彼の手腕が光る映像美が特徴的である。また、企画は財前定生と仲野和正、撮影は今井ひろしが行い、編集には谷口登司夫、脚本は高岩肇が携わっている。音楽には斎藤一郎が起用され、緊迫したシーンにマッチしたサウンドが作品の雰囲気を一層盛り上げる。

併映作品とシリーズ

『忍びの者 新・霧隠才蔵』は『ザ・ガードマン 東京忍者部隊』と併映され、さらには多くの忍びの者シリーズ作品とともに公開された。このシリーズには、1962年から1966年にかけて制作された作品が含まれ、忍者たちの勇敢な戦いが数多く描かれている。特に市川雷蔵の演じるキャラクターは、シリーズを通じて広く知られる存在である。

忍者というテーマを扱った本作は、アクション映画ファンにはたまらない作品であり、戦国時代の歴史を背景にした人間ドラマや戦略が凝縮されている。忍者の存在を色濃く描いた『忍びの者 新・霧隠才蔵』は、日本映画の一つの金字塔として現在も多くの人々に親しまれている。

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