志井駅 (JR九州)

志井駅：北九州の地に根付くローカル線の駅

福岡県北九州市小倉南区に位置するJR九州日田彦山線の志井駅は、地域の生活を支える重要な拠点として、長きに渡り人々の暮らしを見守ってきました。本記事では、その歴史から駅舎の構造、利用状況、そして周辺環境まで、多角的に志井駅の魅力に迫ります。

歴史の軌跡：昭和初期からの変遷

志井駅の歴史は、昭和8年(1933年)10月23日、小倉鉄道の停留場として開業したことに始まります。その後、昭和17年(1942年)6月10日に一度は廃止されましたが、昭和18年(1943年)2月25日、元の場所から400mほど移転し、再開業を果たしました。同年5月1日には国有化され、鉄道省添田線の一部となりました。

昭和46年(1971年)10月20日には荷物扱いと駅員配置が廃止され、無人駅となりました。その後、国鉄分割民営化（昭和62年4月1日）を経て、JR九州の駅として現在に至ります。平成26年(2014年)には駅舎が改築され、現在のコンパクトな待合室が設置されました。平成29年(2017年)3月4日には、上り快速列車の停車駅に追加されたことで、利便性が向上しました。

駅構造：シンプルながらも機能的なデザイン

志井駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、バリアフリーにも配慮されています。以前の駅舎は取り壊されましたが、現在ある駅舎は鉄骨造りのコンパクトな構造で、シンプルなデザインながらも機能性を重視した設計となっています。かつて貨物列車の交換が行われていた名残で、線路は比較的長く確保されています。現在では無人駅として、静かにその役割を担っています。また、JRの特定都区市内制度における「北九州市内」に含まれています。

利用状況と周辺環境：ローカル線の賑わい

2016年度の1日平均乗車人員は約83名と、地域に密着した利用状況となっています。駅周辺は、福岡県道257号井手浦徳力線とほぼ並行して集落が形成され、静かな住宅街が広がっています。九州自動車道を挟んで北側には志井鷹羽台という住宅地が広がり、緑豊かな自然も感じられます。

駅東側には、志井鉱山跡地を整備した志井の森公園があり、自然豊かな憩いの場を提供しています。最寄りのバス停である西鉄バス北九州志井線バス停までは徒歩約6分と、やや距離があります。小倉駅方面や新道寺方面へのアクセスにはバスの利用が便利です。

アクセス方法と今後の展望

志井駅へのアクセスは、JR日田彦山線を利用するのが最も便利です。周辺には駐車場も整備されているため、車でのアクセスも可能です。

今後、志井駅周辺の開発や地域活性化に伴い、利用状況の変化も予想されます。地域住民の生活を支えるだけでなく、観光客の利用も増加することで、さらなる発展が期待されます。

隣の駅

JR九州日田彦山線

志井公園駅
石原町駅

参考文献

* 九州鉄道百年祭実行委員会・百年史編纂部会 編『九州の鉄道100年記念誌 鉄輪の轟き』（初版）九州旅客鉄道、1988年。

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