志村和雄

志村和雄（しむら かずお）は、1920年2月22日に北海道小樽市で生まれ、2014年1月5日に93歳で亡くなった日本の政治家、そして実業家です。1943年に北海道帝国大学農学部水産学科を卒業後、日本化成工業に入社しましたが、すぐに徴兵され、終戦後に復員しました。その後、北海道小樽水産高等学校で教諭を務めた後、1951年に小樽市役所に入庁しました。

市役所では、1967年から8年間助役を務め、その間、新日本海フェリーの就航や小樽駅前再開発事業に尽力しました。これらの事業は、小樽市の発展に大きく貢献しました。1975年には小樽市長選挙に立候補し、初当選を果たし、その後3期連続で市長を務めました。

市長としては、市街地の再開発を積極的に推進しましたが、一方で、小樽の歴史的な景観を保護する重要性も認識していました。1983年には、小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例を制定し、歴史的建造物の保存に力を入れました。また、小樽運河の埋め立てをめぐる論争では、当初は埋め立てを推進する立場でしたが、市民運動の高まりを受け、一部保存へと方針を転換しました。この決断が、今日の観光都市としての小樽の基礎を築いたと言えるでしょう。

1987年に市長を勇退した後、小樽開発埠頭の社長を務めました。長年の地域への貢献が評価され、1987年には北海道社会貢献賞を、1991年には勲四等旭日小綬章を受章しました。

志村和雄は、地方公務員、助役、市長と、さまざまな立場で小樽市の発展に貢献しました。特に、観光都市としての小樽の基礎を築いた功績は大きく、現在も多くの人々に記憶されています。彼の生涯は、地方自治の重要性と、地域への貢献の大切さを私たちに教えてくれます。

受賞歴
北海道社会貢献賞（1987年）
勲四等旭日小綬章（1991年）

参考文献
* 『現代政治家人名事典』（日外アソシエーツ編集・発行、1999年）

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