志比堺駅

志比堺駅：歴史と文化が息づくえちぜん鉄道の駅

福井県吉田郡永平寺町松岡志比堺にあるえちぜん鉄道勝山永平寺線の志比堺駅は、歴史と情緒あふれる駅として知られています。駅番号はE11。読み方は「しいざかい」ですが、所在地表記は「しひざかい」と異なる点が特徴です。

歴史を刻む駅舎

志比堺駅の起源は古く、1914年（大正3年）に京都電燈越前電気鉄道の新福井駅-市荒川駅間開業と同時に誕生しました。その後、京福電気鉄道を経て、2003年、えちぜん鉄道に駅施設が譲渡されました。2001年には、京福電気鉄道越前本線で列車正面衝突事故が発生し、全線運行休止によって一時休業を余儀なくされましたが、2003年7月20日、福井駅-永平寺口駅間の運行再開とともに営業を再開。そして2011年には、歴史的価値の高い駅舎が国の登録有形文化財に登録され、その歴史的意義が改めて認められました。1971年には無人駅となっています。

駅舎と周辺環境

駅舎は登録有形文化財に登録されている、歴史的建造物です。単式ホーム1面1線の地上駅で、現在は無人駅となっています。かつては相対式ホーム2面2線で列車交換が可能な構造でしたが、現在は廃止され、線路南側にその跡が残っています。駅が高台にあるため、駅舎と下の集落の間には長い階段が設置されています。この階段は、駅の歴史を感じさせる象徴的な存在となっています。

周辺環境としては、九頭竜川が流れ、国道416号が通っています。自然豊かな環境の中に、歴史的建造物である駅舎が静かに佇む、そんな風景が志比堺駅の魅力となっています。

利用状況とアクセス

具体的な1日の平均乗降人員データについては、公開情報が限られていますので、ここでは割愛させていただきます。アクセス方法としては、えちぜん鉄道勝山永平寺線を利用するのが便利です。

隣の駅

えちぜん鉄道勝山永平寺線において、志比堺駅の隣の駅は、下りの松岡駅（E10）と上りの永平寺口駅（E12）です。快速列車は上り方向のみ通過します。

参考文献

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

まとめ

志比堺駅は、単なる鉄道駅という枠を超え、歴史と文化を伝える貴重な存在です。長い歴史の中で幾多の変遷を経てきたその姿は、日本の地方鉄道の歴史を物語っています。訪れた際には、登録有形文化財に指定されている駅舎をじっくりと見学し、静かなたたずまいと周辺の自然を満喫してみてはいかがでしょうか。 歴史と自然の調和が感じられる、そんな魅力的な駅です。

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