志水一夫 (作家)

志水 一夫: 作家と超常現象研究家

志水一夫（しみづ かづを、または「しみず かずお」、1954年2月9日生 - 2009年7月3日没）は、日本の著名な作家、科学解説者、さらには超常現象の研究者として知られています。東京都新宿区に生まれた彼は、慶應義塾大学の文学部史学科を卒業し、高校時代からUFOや超能力に関する研究を始めました。その後、著作活動に傾注し、多数の書籍や論文を執筆しましたが、非常に遅筆であったため、単著は限られたものとなっています。彼はまた、三井一郎（みつい いちろう）などのペンネームを用い、多くの著作を残しています。

生涯と業績

志水は学術的な視点で歴史や自然科学、オカルト、さらにはアニメに関する執筆を行っており、特にUFOや未来予測の誤りについての著作で名を馳せました。彼の著書『UFOの嘘』や『大予言の嘘』は、いずれも星雲賞のノンフィクション部門の参考候補作として評価され、特に後者は古典的名著とされた作品でもあります。これらの書籍は、UFO研究者やノストラダムス研究家の問題点を初めて文書化したものであり、その影響力は大きいと言えます。

一方で、彼は科学に基づかない民間療法、特にレイキや催眠療法などを強く信奉しており、自身でもこれらの療法を実践しました。メールマガジンや自身のウェブサイトを通じて、これらの療法の紹介を行い、関わりのある団体の役員を務めるなどしました。志水は、超常現象の実在を強く信じる「ビリーバー」として知られ、彼の信念から「偽物」に対する批判は非常に厳格でした。

境遇と人間関係

志水は、同業者であると学会の会長・山本弘や運営委員の皆神龍太郎などとの関係を築いており、彼らからは超常現象に対する強い信念が伺えます。特に、1980年代の「ロリコン漫画ブーム」においては、原丸太名義でロリコン同人誌に関するレビューを行ったことでも知られています。

また、史学においてはあまり知られていなかった歴史的エピソードを整理し、一般読者に紹介するなど、多様な執筆スタイルを持ちました。しかし、通俗的な著作に依存することが多かったため、彼のライティングに対しては、史料の選定やその扱いに対する疑問が提起されることもありました。

彼が残した膨大な蔵書は約43000冊に達し、明治大学付属米澤嘉博記念図書館に寄贈されました。これは彼の研究と著作活動の証でもあります。

死去と影響

2009年、志水は胃がんにより55歳でこの世を去りました。宗教が神道であったため、彼の葬儀は神式で執り行われました。彼の興味や信念が色濃く反映された著作物は、今なお日本の超常現象研究や科学的懐疑主義に爪痕を残しています。彼の影響を受けた者たちによって、今もその思想や業績は語り継がれています。志水一夫は、日本の作家史、さらにはオカルト研究の分野で、不朽の存在として記憶され続けるでしょう。

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