志紀長吉神社

志紀長吉神社について

志紀長吉神社（しきながよしじんじゃ）は、大阪市平野区長吉長原に位置する歴史ある神社であり、かつては式内社として知られていました。旧社格は郷社で、今も地域の人々から深く信仰されています。

歴史

この神社の創建は、延暦13年（794年）にさかのぼります。当初、神社の東側に存在していた日蔭蔓を祀る形で始まりました。このことから、平城天皇より「日蔭大明神」という神号を賜り、詩の一節も授けられました。「神山の日蔭の蔓かざてふ、豊の明かりのわけてくまなき」という詩がそれであり、以降、日蔭蔓を神紋としています。

その後、志紀長吉神社は延喜式内社としての地位を与えられ、後朱雀天皇や後冷泉天皇の祈願所ともなりました。また、神宮寺として阿弥陀寺も創建され、神社と寺が一体となった姿が見受けられました。室町時代から戦国時代には「永原大宮」との名称も使われるようになりました。

慶長20年（1615年）、道明寺の戦いの際には、真田信繁がこの神社に立ち寄り戦勝を祈願しました。この時、彼は当社に旗と刀を奉納しました。残念ながら、その刀は太平洋戦争後にGHQに没収されてしまいました。

江戸時代に入ると、日蔭大明神として広く知られ、特に牛頭天王を祀ることで祈雨のご利益があるとされ、多くの人々の信仰を集めました。明治時代においては、神仏分離が進み、神宮寺の阿弥陀寺は廃寺となりましたが、神社はその資料を保有し続けています。1872年には郷社に列せられ、現在も地域の重要な祭祀の場となっています。

祭神

志紀長吉神社の主祭神には、長江襲津彦命と事代主命が祀られています。これらの神々は、繁栄や商業の守護神としても役立てられ、地域の産業や生活に寄与しています。

境内の構成

境内には多くの建物や社が配置されています。主な構成は以下の通りです。

• - 本殿
• - 拝殿
• - 琴平社
• - 稲荷社（祭神：宇迦之御霊之大神）
• - 伊勢神宮・神武天皇陵の遥拝所
• - 社務所
• - 神輿庫

これらの施設は訪れる人々に多様な信仰の場を提供し、一年を通じて多くの祭りが行われています。

文化財と交通

志紀長吉神社は、大阪市の指定有形文化財である絹本著色弘法大師画像や、牛頭天王曼荼羅図など、貴重な文化財を有しています。また、志紀長吉神社文書も11点現存しており、歴史的価値が高いものです。

交通アクセスは、大阪メトロ谷町線の長原駅から徒歩5分と、とても便利です。神社への参拝は、静かな環境の中で心を清める良い機会となるでしょう。

外部リンク

詳しい情報は志紀長吉神社の公式サイトをご覧ください。

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