志願兵補充部隊

イギリス軍の志願兵補充部隊：非常勤の予備役部隊

イギリス軍には、正規軍を補う重要な役割を担う志願兵補充部隊が存在します。これは、非常勤の予備役部隊であり、正規軍とは異なる特徴を持っています。本稿では、志願兵補充部隊の構成、任務、歴史、そして将来展望について詳細に解説します。

志願兵補充部隊の役割と構成

志願兵補充部隊は、正規予備役とは異なり、即応性を重視した部隊ではありません。召集された際にすぐに戦闘に参加できる退役軍人を含んでいない点が大きな違いです。代わりに、民間人ボランティアで構成され、日常的に正規軍と共に訓練や軍事作戦に参加することで、高い戦闘能力を維持しています。

これらのボランティアは、定められた任期の間、正規軍の兵士と一体となって国内外で任務にあたり、多くの主要な軍事作戦に参加しています。10年間勤務を続けると、V.R.の称号が与えられます。

志願兵補充部隊には、大学教練部隊も含まれています。これは、義務兵役ではなく、大学生が学生連隊として軍務に関わり、軍事訓練を受ける機会を提供するものです。

イギリス四軍における志願兵補充部隊

志願兵補充部隊は、イギリス陸軍、海軍、海兵隊、空軍のそれぞれに設けられ、各正規軍の一部として活動しています。

イギリス陸軍: 国防義勇軍（陸軍大学士官教練隊を含む）
イギリス海軍: イギリス海軍予備員（海軍大学教練隊を含む）
イギリス海兵隊: イギリス海兵隊予備員
イギリス空軍: イギリス補助空軍、イギリス空軍志願予備員（空軍大学飛行隊を含む）

フューチャー・リザーブス 2020 と今後の展望

2012年に行われた「フューチャー・リザーブス 2020」の見直しでは、志願兵補充部隊（大学教練部隊と空軍志願兵補充部隊を除く）を正規軍に統合し、海外派兵への対応能力を高めることが決定されました。これは、現代の軍事情勢の変化に対応するための重要な改革であり、志願兵補充部隊の役割が今後ますます重要になっていくことを示唆しています。

関連事項

正規予備役
Reserve Forces and Cadets Association
海上予備員（海軍および海兵隊の予備員をまとめて呼ぶ名称）
1996年予備戦力法
* Sponsored Reserves

まとめ

イギリス軍の志願兵補充部隊は、正規軍を支える重要な戦力です。民間人ボランティアの熱意と献身によって支えられ、高い訓練レベルと任務遂行能力を誇ります。正規軍との統合を進めることで、今後の国際情勢の変化にも柔軟に対応できる体制を築きつつあります。彼らの活動は、イギリスの安全保障に大きく貢献していると言えるでしょう。

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