応徳寺

応徳寺は、岐阜県郡上市大和町栗巣に位置する浄土真宗大谷派の寺院で、月光山と号します。本尊は阿弥陀如来です。

創建の時期や開基については詳しい記録がなく不明です。伝承によれば、元々は白山本宮長滝寺の末寺であったとされています。室町時代の明徳3年（1392年）に蓮西という人物が綽如上人に帰依したことがきっかけとなり、浄土真宗へと改宗しました。その後、文明5年（1473年）には、蓮如上人より月光山の山号、そして浄土真宗において重要な意味を持つ六字名号と十字名号を授与されています。

江戸時代の宝暦9年（1759年）には、郡上郡牧村（現在の郡上市）の地主であった彦右衛門が夢のお告げを受け、郡上郡の旧主ゆかりの寺である東林寺の出土品を発掘しました。これらの出土品は、その後応徳寺に預けられることとなりました。昭和58年（1983年）には、これらの出土品と、それらに関する記録が、岐阜県の文化財として指定を受けています。寺宝として、大永2年（1522年）に作られたとされる方便法身尊形や、寛永6年（1639年）に制作された蓮如上人画像も所蔵しています。

応徳寺は、創建の詳細は不明ながらも、室町時代に浄土真宗に改宗し、蓮如上人からの山号授与を経て、地域に根差した寺院として歴史を刻んできました。東林寺の出土品や文化財を所蔵することからも、地域の歴史や文化を伝える重要な役割を担っていることがうかがえます。

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