郡上郡

郡上郡（ぐじょうぐん）

郡上郡は、かつて美濃国（現在の岐阜県）に存在した郡です。この地域は「奥美濃」とも呼ばれていました。

郡域

1879年（明治12年）に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の以下の地域に相当します。

郡上市の大部分（白鳥町石徹白を除く）
下呂市の一部（金山町弓掛、金山町卯野原、金山町乙原、金山町岩瀬、金山町祖師野、金山町戸部、金山町東沓部）

歴史

郡上郡は、『郡上おどり』をはじめとする伝統行事で知られていました。「郡上」という地名は、現在の郡上市に引き継がれています。

古代

855年（斉衡2年）閏4月19日に、美濃国武儀[[郡]]から分かれて成立しました。郡名の由来は、地図上で武儀[[郡]]の上に位置することからきています。明治時代からは岐阜県に属していました。

近世以降の沿革

明治初年時点での支配は以下の通りでした。幕府領は美濃[[郡代]]が管轄していました。

慶応4年（1868年）
4月15日：幕府領・旗本領が笠松裁判所の管轄となる。
閏4月25日：笠松裁判所の管轄地域が笠松県の管轄となる。
明治4年（1871年）
7月14日：廃[[藩置県]]により、藩領が郡上県となる。
11月22日：第1次府県統合により、全域が岐阜県の管轄となる。
明治初年：沓部村のうち馬瀬川以東が分立して東沓部村となり、残部は西沓部村と改称されました。（1町164村）
明治7年（1874年）9月：2ヶ所存在した西洞村が、それぞれ鷲見西洞村と小駄良西洞村に改称。同様に、2ヶ所存在した中切村もそれぞれ鷲見中切村と小駄良中切村に改称しました。
明治8年（1875年）1月：複数の村の統合が行われました。（1町88村）
明治12年（1879年）2月18日：郡区町村編制法の岐阜県での施行により、行政区画としての郡上郡が発足し、郡役所が八幡村に設置されました。
明治15年（1882年）4月：鷲見村の一部が分立して西洞村となりました。（1町89村）

町村制以降の沿革

明治22年（1889年）7月1日：町村制の施行により、八幡町、嵩田村など多くの村が発足しました。この際、一部の村が合併し、八幡町が成立しました。上田村、山田村、高砂村が合併し嵩田村が発足、内ヶ谷村が落部村に、安郷野新田が方須村に合併しています。（1町84村）
明治27年（1894年）7月21日：下洞村、法師丸村などが合併し、和良村が発足しました。（1町74村）
明治30年（1897年）4月1日：以下の町村の統合が行われました。特記以外は全域が現在の郡上市に該当します。（1町16村）
東村 ← 岩瀬村、乙原村、卯野原村、弓掛村、祖師野村、戸部村、東沓部村（現・下呂市）
下川村 ← 白山村、大原村、三戸村、梅原村
高鷲村 ← 大鷲村、鮎立村、鷲見村、西洞村
北濃村 ← 長滝村、歩岐島村、前谷村、二日町村、向小駄良村
上保村 ← 白鳥村、為真村、大島村、中津屋村、越佐村
山田村 ← 徳永村、河辺村、神路村、牧村、古道村、栗巣村
牛道村 ← 野添村、六ノ里村、西多村、陰地村、那留村
弥富村 ← 剣村、万場村、大間見村、小間見村
西川村 ← 島村、名皿部村、落部村、有坂村
西和良村 ← 美山村、洲河村、入間村、野々倉村、小那比村
相生村 ← 相生村、那比村、西乙原村、吉野村、稲成村、安久田村
奥明方村 ← 二間手村、大谷村、寒水村、気良村、奥住村、畑佐村、小川村
口明方村 ← 初納村、小野村、旭村、市島村、有穂村
川合村 ← 中坪村、初音村、河鹿村、五町村、瀬取村
明治30年（1897年）8月1日 - 郡制を施行。
大正12年（1923年）4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
大正15年（1926年）7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
昭和3年（1928年）11月10日：上保村が町制施行・改称して白鳥町となりました。（2町15村）
昭和29年（1954年）
11月1日：嵩田村・下川村が合併して美並村が発足。（2町14村）
12月15日：八幡町・川合村・相生村・口明方村・西和良村が合併し、改めて八幡町が発足。（2町10村）
昭和30年（1955年）
3月1日：東村が武儀[[郡]]金山町などと合併し、益田[[郡]]金山町が発足。（2町9村）
3月28日：山田村・弥富村・西川村が合併して大和村が発足。（2町7村）
昭和31年（1956年）4月1日：白鳥町・牛道村・北濃村が合併し、改めて白鳥町が発足。（2町5村）
昭和32年（1957年）4月1日：大和村の一部（有坂）が八幡町に編入。
昭和33年（1958年）10月15日：白鳥町が福井県大野[[郡]]石徹白村を編入。
昭和45年（1970年）4月20日：奥明方村が改称して明方村となる。
昭和60年（1985年）11月1日：大和村が町制施行して大和町となる。（3町4村）
平成4年（1992年）4月1日：明方村が改称して明宝村となる。
平成16年（2004年）3月1日：八幡町・大和町・白鳥町・高鷲村・美並村・明宝村・和良村が合併して郡上市が発足。同日、郡上郡は消滅しました。

行政

歴代の郡長については、詳細な記録が存在します。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 21 岐阜県、角川書店、1980年9月1日。
旧高旧領取調帳データベース
岐阜県市町村合併等経過一覧表 - ウェイバックマシン（2014年8月8日アーカイブ分）、岐阜県地域計画局市町村室

関連文献

『郡上郡史: 正編』郡上郡教育会、1922年。

関連項目

消滅した郡の一覧

もう一度検索