応習不応習経

応習不応習経について

「応習不応習経」（おうしゅうふおうしゅうきょう）とは、パーリ仏典の中部経蔵に収録されている経典であり、この文献はしばしば「従不従経」とも呼ばれています。この経典は、釈迦とその弟子のサーリプッタ（舎利弗）による対話を通じて、比丘たちに対して何に近づくべきか、また何から離れるべきかを考えるための貴重な教えを提供します。

登場人物

釈迦

仏教の創始者であり、教えを広めるために人々に接した重要な人物です。

サーリプッタ（舎利弗）

釈迦の弟子の一人で、優れた智慧を持つ比丘として知られており、教えを補足する役割を担います。

場面設定

この経は、釈迦がサーヴァッティー（舎衛城）にあるアナータピンディカ園（祇園精舎）に滞在している時に説かれました。この場所は、多くの比丘たちが集まる修行の場であり、釈迦が教えを伝えるために適していました。

教えの内容

釈迦は比丘たちに向かい、何に注意を向けるべきか、どのようなものから身を引くべきかという道徳的な判断を求めました。その際、サーリプッタが十善戒を始めとする具体的な教えを発表します。彼は、比丘たちが心がけるべき行動規範や、正しい思考、見解についても言及し、三想や八見といった概念についても詳しく説明します。

具体的には、サーリプッタは「近づくべきもの」として、他者に対する思いやりや善行を重視し、逆に「離れるべきもの」として、欲望や負の感情、無知を挙げています。

さらに、サーリプッタは六処（六根、六境、六識）についても触れ、出会うものすべてに対する心の持ち方や、どのように心を鍛えるべきかを説きます。食べ物、坐る場所、住む村や町、さらには出会う人々の特徴についても具体的に区別することで、比丘たちが修行を進める上での参考となる道標を提供しました。

釈迦の教えに対する反応

この教えを受けた比丘たちは、サーリプッタの深い智慧に感嘆し、彼が説いた内容を理解することで歓喜の声を上げました。釈迦もまた、サーリプッタの教えを称賛し、弟子たちが善い方向へ進むことを見守ります。この経典は、仏教の教えに触れる人々にとって、非常に価値のある指針を示していると言えます。

参考文献

この経典の日本語訳は、複数の出版物から見ることができます。『南伝大蔵経・経蔵・中部経典4』や『パーリ仏典 中部』などがあり、それらは仏教の教えの理解を深めるのに役立ちます。

関連項目

• - 十善戒: 良い行いを促進するための戒律。
• - 六処: 物事を知覚するための基本的な要素。

外部リンク

• - Tipitaka.orgでの応習不応習経

この経典は、仏教徒にとっての教えの根幹を成すものであり、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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