忠臣蔵 (1990年のテレビドラマ)

TBSドラマ『忠臣蔵』（1990年）

1990年12月26日にTBSで放送されたテレビドラマ『忠臣蔵』は、TBS創立40周年記念時代劇特別企画として制作されました。第28回ギャラクシー賞優秀賞を受賞しています。

概要

本作の特徴は、大石内蔵助（ビートたけし）と、老人となった大野九郎兵衛（緒形拳）をダブル主演として描いている点です。大野九郎兵衛は語り部を務めると同時に、若い頃は討ち入り反対派の中心人物であったという設定です。物語は、青年武士（高嶋政伸）が、山村でひっそりと暮らす年老いた大野九郎兵衛に忠臣蔵の話を聞くという形式で進行します。冒頭には、筑紫哲也による歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』の解説シーンが挿入されています。

あらすじ

物語は、青年武士が、隠居生活を送る大野九郎兵衛を訪ね、忠臣蔵の顛末を尋ねることから始まります。九郎兵衛は、過去の出来事として、忠臣蔵事件を語り始めます。

従来とは異なる人物描写

本作では、大石内蔵助は従来のイメージとは異なり、小心者で臆病な人物として描かれています。彼は当初、仇討ちの意志を持っていなかったものの、周囲の状況に押し上げられ、討ち入りのリーダーとならざるを得なくなります。また、討ち入りに参加した他の浪士たちも、必ずしも純粋な忠義心から行動したわけではありません。中には、仇討ちの成功後に他藩への仕官を期待する者もおり、それぞれの思惑が交錯する様子が描かれています。討ち入り成功を喜び、明るい未来を期待する堀部安兵衛（陣内孝則）に対し、内蔵助は悲観的な見通しを語り、安易な成功を疑問視する場面もあります。

このように、本作は従来の忠臣蔵とは異なる解釈や人物描写を取り入れることで、多角的な視点から事件を描き出しています。

スタッフ

プロデューサー：八木康夫
演出：竹之下寛次
脚本：池端俊策
脚本協力：岸宗生
音楽：S.E.N.S.
殺陣：國井正廣
スタジオ協力：生田スタジオ
制作補：壁谷悌之、土井裕泰
演出補：加藤浩丈、山越克雄、渡部敏雄、内田誠、磯山晶

キャスト

（主要キャストは入力情報に記載）

関連作品

峠の群像（1982年大河ドラマ）：大野九郎兵衛役の緒形拳が大石内蔵助役
* 忠臣蔵・いのちの刻（1988年TBSドラマ）

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