快刀!夢一座七変化

『快刀!夢一座七変化』

『快刀!夢一座七変化』は、1996年10月17日から1997年3月13日まで、テレビ朝日系列の『木曜時代劇』枠で放送された日本の時代劇である。この作品は、東映京都により製作された連続テレビ時代劇として初めてビデオ撮影技術を使用したものであり、映像表現の新たな可能性を示すものであった。

あらすじ

物語は、「花村一座」という旅芝居を営む一座を中心に展開される。一見、商業的な芝居を回る旅一座であるが、実際にはその名の通り、正義のために「世直し仕事人」として活躍している。座頭の花村夢十郎をリーダーとして、彼らは旅の途中で出会う困った人々を助けるために、巧妙な芝居の技術を駆使して悪人を退治していく。彼らの冒険は、芝居の魅力と共に、メリハリのあるストーリー展開で視聴者を引き込んでいく。

登場人物

• - 花村夢之丞（演 - 三田村邦彦）

花村一座の看板役者であり、夢十郎の弟。彼は舞台も世直しも主役を担う頼れる存在であり、一座の人気演目である「世直し天狗 白頭巾」の白頭巾役が十八番である。

• - 月見龍之介（演 - 地井武男）

花村一座の役者で、主に敵役を演じることが多い。舞台や世直しの役回りに不満を抱きつつも、時には急遽舞台の改造を行い、一座のピンチを救う役割を果たす。

• - 花村申太郎（演 - 渡辺裕之）

男女の声帯模写が得意で、芝居のからくりにも貢献している。一時的に風邪で寝込んでいたが、最終回で意外な才能を発揮する。

• - 花村小町（演 - 山口香緒里）

女優として一座に参加しており、しおらしい役が得意である。変装の巧みさが際立ち、時には夢十郎の計画であった壺振りの役割に憤慨する場面も。

• - 花村てまり（演 - 及川佳奈）

まだ子供のため、舞台には上がるが、世直しの「からくり」には参加する。しかし、重要な場面には参加しない。

• - 遁兵衛（演 - 城後光義）

一座の会計担当で、金銭面で非常に細かい性格。時折、世直しにも参加するが、他のメンバーから煙たがられることもある。

• - キジ丸（演 - 長戸勝彦）

一座の裏方を担当し、遁兵衛と共に世直しを手伝う役割を担う。

• - 雪村揚羽（演 - 池上季実子）

一座の花形女優で、男気のある性格。元は掏摸として生計を立てていた。

• - 花村夢十郎（演 - 宇津井健）

花村一座の座頭で、芝居の筋書きと世直しを担当する。情に厚い性格で、メンバーからの信頼も厚い。特に薬剤に詳しく、調合も得意である。

スタッフ

本作の脚本には複数の作家が参加し、音楽は篠崎正嗣が担当した。監督陣も多彩で、上杉尚祺や牧口雄二、長岡鉦司などが名を連ねている。また、主題歌は小椋佳の「夢芝居」で、作品の雰囲気を盛り上げる要素の一つとなっている。

この時代劇は、ただのサスペンスやアクションにとどまらず、芝居の巧みさや仲間との絆を深めるドラマが描かれており、視聴者に長く記憶に残る作品となった。

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