怒羅権

怒羅権（ドラゴン）について

怒羅権（ドラゴン）は、日本で活動する中国残留日本人の2世を中心としたストリートギャングであり、東京都江戸川区葛西を拠点にします。1988年に設立され、以来、その歴史と闘争は日本の社会において注目されています。警察庁は、2011年からこの組織を「チャイニーズドラゴン」と名付け、カタカナ表記する方針を立てています。これは、暴力団としての活動が拡大していることを反映したものです。実際、2013年には準暴力団に指定され、行動が厳重に監視されています。

成立の背景

怒羅権は、中国残留孤児の帰国者が集まった一時入所施設「常盤寮」の近くで結成されました。多くの残留孤児2世は、日本語に自信がなく、差別やいじめを受ける環境にありました。このような厳しい境遇を経験した彼らが集まったのが、怒羅権の起源と言われています。結成当初は、暴走族を目指した組織ではなかったものの、次第に非行に走るメンバーが増えていきました。

最初の抗争として1989年に発生した事件では、残留孤児2世の女子高校生が日本の暴走族に暴行される事件がきっかけとなり、組織は本格的な抗争状態へと突入します。武装した怒羅権は、対立する暴走族を傘下に置くまでに勢力を拡大し、90年代にはほぼ全ての地元暴走族を制圧しました。

誕生の経緯と名前の由来

怒羅権の名前は、彼らの背景や誇りが込められています。「ドラゴン」は中国を象徴し、「怒」は日本人による差別に対する怒りを表しています。「羅」は強敵を倒す意思を、「権」は自らの権利を獲得することを示しています。初代総長の佐々木秀夫は、その名前に深い意味合いを与えました。

彼は、中国の象徴であるドラゴンを基に、仲間としての絆を込めた名前を考え、怒りと権利獲得に向けた不屈の精神を表現したのです。

構成員と組織の変遷

設立当初は少数のメンバーで始まったものの、徐々にメンバーは増え、1990年代には数千人規模に達しました。特に半グレとして知られる怒羅権は、暴力団に対する法律の適用外に位置し、凶悪犯罪が多かったことから、警察や社会から厳しい視線が向けられることが多かったのです。しかし、実際にはその大半は在日2世やその子どもたちであり、組織の高齢化が問題視される一方、依然として国際犯罪とも関連しているとされています。

現在の状況と活動内容

怒羅権は、パチンコの裏ロムや覚醒剤密売、不法就労などを含む多様な犯罪行為を行っています。警察への抵抗も見せる暴力行為や恫喝行為が日常的に報告されており、組織は徐々にその精細を失いつつあるとの見方もありますが、依然として影響力は強く、特に東京の夜の世界ではその存在感を誇示しています。

彼らの成り立ちから脈々と続く抗争の歴史、差別に立ち向かう姿勢、そして組織の高齢化といった要素は、今後の彼らの活動に影響を与えるでしょう。今後の動向に引き続き注目が必要です。

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