怪獣大戦争

映画『怪獣大戦争』について

『怪獣大戦争』（かいじゅうだいせんそう）は、1965年12月19日に公開された日本の特撮映画で、ゴジラシリーズの第6作目です。製作と配給はいずれも東宝が担当し、カラフルかつシネマスコープ形式で撮影されました。その略称は『大戦争』です。初回の興行成績は非常に良好で、観客動員数は378万人に達しました。

概要

本作は、東宝の代表的な特撮映画である「怪獣映画」に、空想科学映画の要素を融合させて制作された特撮作品の集大成です。その中には当時流行していたスパイ映画の要素も取り込まれています。また、同年度には大映が『大怪獣ガメラ』を公開し、次に放送される特撮テレビドラマ『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の登場によって第一次怪獣ブームが訪れる土壌が生まれました。

登場する怪獣たちは前作から出続けているものですが、ストーリーは怪獣同士の戦いよりも地球人と宇宙人とのドラマに重きが置かれています。昭和シリーズの中でゴジラが地球外に飛び出すのは本作が唯一のケースであり、これが物語をより一層面白くしています。

また、オープニングに使用されている「怪獣大戦争マーチ」は、伊福部昭が作曲したもので、過去の映画でも使用されてきた旋律です。この曲は後に自衛隊のイメージ曲として用いられることになります。

ストーリー

物語は196X年、木星の背面に新たに発見された衛星「X星」の探査に向かう地球連合宇宙局の宇宙パイロット、富士一夫が主人公です。彼と仲間のグレンは、高度な文明を有するX星の住民であるX星人と遭遇します。彼らは宇宙怪獣キングギドラによる襲撃を受け、地底でのサバイバルを余儀なくされていました。

X星人の統制官は、不治の病の特効薬を提供する代わりに地球のゴジラとラドンを貸し出すよう提案します。地球に帰還した富士たちはその内容を発表し、地球は歓迎ムードに包まれます。調査の結果、ゴジラは日本の明神湖にいることが判明し、数日後には円盤で地球を訪れた統制官との交渉が成立します。しかし、富士とグレンはX星人に対してどこか不信感を抱くのです。

その後、運ばれたゴジラとラドンはキングギドラと対峙しますが、一方で富士の妹ハルノの恋人・鳥井哲男は美女波川から商品の契約を持ち掛けられ、彼女がグレンの恋人であることを知り不信感が募ります。実はこれはX星人による罠であり、世界教育社は侵略の前線基地だったのです。

X星人は地球に対し武力行使を行い、地球の植民地化を宣言。混乱の中、グレンを愛する波川は同胞を裏切り処刑される運命を選びます。

主人公たちはX星人による怪獣コントロールを打破するために密かに作戦を進行、レディガードという護身器の音波がX星人の弱点であることを突き止めます。最終的にX星人は自爆し、怪獣たちは自由を取り戻すものの、果たして彼らの運命はどうなるのか、というスリル満点の展開が繰り広げられます。

登場キャラクター

• - ゴジラ: 地球の守護者であり、シリーズの顔ともいえる存在。
• - ラドン: 空を飛ぶ怪獣で、随所でゴジラをサポートします。
• - キングギドラ: 本作の敵で、宇宙からの襲撃者。
• - X星人: 地球侵略を目論む宇宙人たち。

まとめ

『怪獣大戦争』は、特撮映画としての魅力に加え、ドラマ性が強調されたストーリー展開が評価されています。また、特技監督には円谷英二が名を連ね、特撮技術の向上も伺えます。本作は観客に驚きと興奮を与え続け、特撮映画の金字塔ともいえる作品です。特に昭和の怪獣ブームを象徴する一作として、多くのファンに愛されています。

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