恋におちて -Fall in love-

恋におちて -Fall in love-

『恋におちて -Fall in love-』は、1985年に小林明子がリリースしたデビューシングルです。この曲は、同年放送されたTBS系ドラマ『金曜日の妻たちへIII・恋におちて』の主題歌に選ばれ、一躍注目を浴びました。シングルは、ファンハウスから発表され、幅広い人気を獲得しました。

発売と評価

1985年8月31日に発売されると、すぐに多くのリスナーの心を掴みました。オリコンチャートでは、実に95万枚を売り上げるという記録を達成し、1985年の年間ランキングでは7位にランクインしました。また、1985年10月10日にTBSの『ザ・ベストテン』に初登場し、12月5日には栄光の1位を獲得、さらに3週連続でトップの座を維持しました。

このシングルには、オリジナル・カラオケとメロ入りカラオケを含む3曲が収録されたカセット版も好評を博しました。さらに、同年11月には小林のセカンドアルバム『心のままに』が発売され、この中には英語版のシングルも含まれていました。

制作背景

興味深いことに、この楽曲はドラマ放映の1年以上前に小林明子が他の歌手のために制作したものでした。しかし、その歌手が突然引退したため、曲は一時的に埋もれていました。ドラマ制作者が偶然この曲を聴くことになり、歌詞を湯川れい子が担当しました。湯川自身の経験に基づいた歌詞は、ダイヤル式電話の描写など、当時の生活環境とも密接に結びついています。

特に、歌詞の「ダイヤル回して手を止めた」という部分は、ダイヤル式電話から受ける心理的迷いを象徴しています。1980年代後半にはプッシュホンが普及していたため、湯川は歌詞にこの特徴をあえて残しました。彼女は当初この表現を変更しようとしましたが、レコード会社のプロデューサーに強い説得を受け、そのままの形でリリースすることになりました。

国内外でのプロモーション

『恋におちて -Fall in love-』は、オランダRCAとの契約により1987年にヨーロッパ市場へ進出し、その結果は大成功を収めました。このシングルは現地のメディアにも取り上げられ、初回プレスの2,000枚があっという間に完売。追加プレスも行われるほどの人気を誇りました。さらに、香港でもアルバム『FALL IN LOVE』として発売され、ゴールドディスクを受賞するなど、国際的な認知度も高めました。

再発とカバー

その後、『心みだれて -Say it with flowers-』とのカップリングでCDシングルとして再発売され、オリジナル・カラオケも収録されました。長いバージョンとしても再登場したこの曲は、多くのアーティストにカバーされ続けています。特に、徳永英明によるカバーが2007年の『第58回NHK紅白歌合戦』で披露され、再燃のきっかけともなりました。
カバーアーティストには、レスリー・チャンや、高橋洋子、岩崎宏美などが名を連ね、様々なスタイルで楽曲の魅力を引き出しています。

このように『恋におちて -Fall in love-』は、時代を超えて影響力を持ち続ける名曲と言えるでしょう。

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