恋のスーパーボール/ホーム

aiko 28thシングル「恋のスーパーボール／ホーム」：詳細解説

2011年5月11日、シンガーソングライターaikoの28枚目のシングル「恋のスーパーボール／ホーム」がポニーキャニオンよりリリースされました。前作「向かいあわせ」から約1年1ヶ月ぶり、そして「milk/嘆きのキス」以来2年ぶりとなる両A面シングルです。

このシングルは、2つのタイアップ楽曲で構成されています。1曲目の「恋のスーパーボール」は、カルピスウォーターのCMソングとして書き下ろされました。aikoがカルピスウォーターのCMソングを担当するのは、「桜の時」以来、実に約11年ぶりとなります。爽やかなメロディーとaikoらしい繊細な歌詞が、CMの世界観と見事にマッチした楽曲です。

一方、2曲目の「ホーム」は、東宝配給映画『阪急電車 片道15分の奇跡』の主題歌として書き上げられました。aikoは前作「向かいあわせ」に続き、2作連続で映画主題歌を担当することとなりました。この起用には、aikoが関西出身であること、そして実際に阪急電車を利用していたというエピソードが考慮されたと言われています。

特筆すべきは、関西地区限定の特別仕様盤が発売されたことです。大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の一部のCDショップで、初回生産限定で販売されました。この関西限定盤では、「ホーム」が1曲目に収録され、ジャケットデザインも全国盤とは異なるものとなっています。さらに、CDトレイの色も、阪急電車の車体と同じ阪急マルーンカラーを採用するなど、細部までこだわった仕様となっています。リリース時には、阪急電車車内の中吊り広告も展開され、話題となりました。aikoの地元への想いが感じられる、特別な仕様と言えるでしょう。

「恋のスーパーボール／ホーム」には、両A面曲に加え、カップリング曲「いつもあたしは」と、それぞれのインストゥルメンタルバージョンも収録。aikoの音楽性の幅広さが感じられる一枚となっています。「恋のスーパーボール」は、2011年12月31日放送の『第62回NHK紅白歌合戦』でも披露され、多くの人々に感動を与えました。

「ホーム」のミュージックビデオも制作されていますが、フルバージョンはCMやその他の映像作品で一部使用されたのみで、現在に至るまでフル尺での公開は行われていません。これは多くのファンにとって、未だに大きな謎であり、いつかフルバージョンの公開を願う声が多くあがっています。

全体として、「恋のスーパーボール／ホーム」は、aikoの代表的な楽曲のひとつとして、現在でも多くのファンに愛され続けています。CMソングと映画主題歌という異なるタイアップを両立させ、さらに関西限定盤という特別な仕様まで用意されたこのシングルは、aikoの音楽性と、地元への強い愛着を感じさせる、非常に魅力的な作品です。楽曲のクオリティはもちろん、その背景や様々なエピソードも含めて、長く記憶に残る1枚と言えるでしょう。

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