恋音と雨空

AAA 38thシングル「恋音と雨空」：大ヒットを記録した恋愛ソングの軌跡

2013年9月4日、エイベックス・トラックスよりAAAの38枚目のシングル「恋音と雨空」がリリースされました。

この楽曲は、前作「Love Is In The Air」から約3ヶ月ぶり、8thアルバム『Eighth Wonder』（9月18日発売）の先行シングルとして発表されました。

ストレートな恋愛感情が共感を呼ぶ

「恋音と雨空」は、飾らないストレートな恋愛感情を表現した歌詞が、多くの若い女性たちの心に響き、大きな共感を呼びました。

リリース後、口コミで「恋に効く」と話題が広がり、期間限定で東京・原宿に「恋音神社」が開設されるほどの人気ぶりを見せました。恋愛運アップの効果があると占い師の富士川碧砂氏によって鑑定されたことも、話題を後押ししました。

メンバーの宇野実彩子さんは、自身のラジオ番組で、この楽曲について1年以上前から候補に上がっており、メンバーで仮歌を聴きながらシングルを選定する会議が行われたことを明かしています。
リリースを一旦見送った後、じっくりと温め、渾身の一作として完成させた楽曲であると語っており、メンバー全員がお気に入りの曲だったことが伺えます。

多様な展開と記録的大ヒット

カップリング曲「MASK」は、2013年11月9日公開の映画「タイガーマスク」の主題歌として起用されました。シングルはCDとミュージックカードの計10種類が発売され、初回限定封入特典としてトレーディングカードが封入されるなど、様々な形態でリリースされました。

ミュージックビデオは、サーカス小屋を舞台に撮影され、YouTubeでフル尺がシングル発売前に公開されるという、AAA史上初の試みが行われました。2013年9月度の邦楽部門月間再生数で1位を獲得するなど、大きな話題を呼びました。
さらに、YouTube10周年記念の日本国内話題ミュージックビデオランキングでは20位にランクインし、公開から約7年後の2020年9月28日には再生回数1億回を突破するなど、長く愛される楽曲となりました。

また、レコチョクのシングルJ-POPランキング、着うたランキングで上位にランクインし、ロングヒットを記録しました。

第55回日本レコード大賞では「優秀作品賞」を受賞し、第64回、第66回NHK紅白歌合戦でも披露されました。

新しい映像表現の試み

「恋音と雨空」の世界観を表現した新しい映像作品『ジュリエット×２～恋音ミュージカル～』が、UULAにて独占配信されました。飯豊まりえさん、中島愛蘭さん、井出卓也さんなどが出演したこの作品は、米国アカデミー賞公認のショートショート フィルムフェスティバル＆アジアとUULAとの共同制作によるショートフィルム特別プロジェクトとして制作されました。

楽曲のバリエーションとその後

翌2014年発売のシングル「Love」には、「恋音と雨空」のオーケストラバージョンが収録されました。また、2020年にはメンバーの日高光啓さんが自身のYouTubeチャンネルで、「恋音と雨空」のアレンジ楽曲「雨恋」を公開するなど、現在もなお、多様な形で楽曲が展開され続けています。

収録アルバムは『Eighth Wonder』、『AAA 10th ANNIVERSARY BEST』、『AAA 15th Anniversary All Time Best -thanx AAA lot-』など複数あり、アルバム収録バージョンはシングルバージョンが用いられています。

「恋音と雨空」は、楽曲そのものの魅力に加え、多様な展開、そしてファンの共感によって生み出された数々の記録、多くの記憶と共に、AAAを代表する名曲として長く愛され続けることでしょう。

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