悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン

悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン

『悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン』は、アメリカのロック・バンド、ザ・ランナウェイズによる1976年のデビュー・スタジオ・アルバムです。このアルバムは、マーキュリー・レコードによってリリースされ、バンド名と同名のセルフタイトル・アルバムとなっています。

アルバムの評価

音楽評論サイトAllMusicでは、このアルバムがメンバーであるチェリー・カーリー、ジョーン・ジェット、リタ・フォードに焦点を当てて評価されており、特にレッド・ツェッペリンやエアロスミスの楽曲との比較がなされています。これにより、彼女たちの音楽的な影響力が強調され、評価が高まっています。

収録曲の背景

アルバムの収録曲「チェリー・ボンブ」は特に注目で、リードシンガーのチェリー・カーリーのオーディションの際、急遽書かれた楽曲だと言われています。この曲のタイトルは、カーリーの名前と関連する言葉遊びとしても知られています。オーディションでは、カーリーはスージー・クアトロの「Fever」を歌唱する予定でしたが、バンドがその演奏方法を理解できなかったため、ジョーン・ジェットとリタ・フォードが新しい曲を書き、彼女が歌うことになったのです。

この「チェリー・ボンブ」は、2009年にはVH1による「最も偉大なハードロック曲100」の中で52位にランクインしました。さらに、この曲は音楽ゲーム『ロックバンド』のダウンロード楽曲としても取り上げられました。映画『バッド・チューニング』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサウンドトラックにも登場しており、文化的な影響力を持つ楽曲です。

収録されている「あなたに夢中（You Drive Me Wild）」は、2010年の映画『ランナウェイズ』でも使用されており、女優ダコタ・ファニングが演じたチェリー・カーリーのシーンで見ることができます。映画では、彼女や共演者のクリステン・スチュワートが「チェリー・ボンブ」や「行きづまりの正義（Dead End Justice）」を演奏しており、実際のバンドの姿勢を反映しています。

アルバムの制作

アルバムに関する興味深い話として、当時のマネージャー、キム・フォーリーがベーシストのジャッキー・フォックスをクレジットしていたものの、実際の演奏はナイジェル・ハリソンが行ったという点があります。このような背景があるため、アルバム制作の裏側には多くのドラマが潜んでいます。

音楽とアートワーク

ザ・ランナウェイズは、ロックの新しい波を牽引する存在であり、アルバムの各トラックにはそれぞれ異なる個性が表現されています。また、アートワークに関しては、トム・ゴールドの写真やデズモンド・ストローベルのデザインが用いられ、アルバムのイメージを引き立てています。

この『悩殺爆弾』は、ザ・ランナウェイズのキャリアの礎を築いた重要な作品であり、彼女たちの音楽がロック史にどのように刻まれていったのかを考える上でも欠かせないアルバムです。

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