悼王 (周)

悼王（とうおう）について

中国の春秋時代における周の王、悼王（とうおう）は、姓が姫で名は猛です。彼は周の景王の子供として生まれ、彼の治世は非常に波乱に満ちたものでした。悼王の歴史的な地位は、彼が権力を得るまでの過程やその後に直面した困難、そして最終的な悲劇的な結末によって特徴づけられています。

生涯の概要

悼王は紀元前520年4月に、父である周の景王が死去すると単穆公や劉文公の支持を受けて即位しました。しかし、彼の即位は周の内部での権力闘争の引き金となりました。景王の庶長子である王子朝は、悼王の即位によって失われた権力を取り戻そうとし、彼の支持者たちと共に反乱を起こしました。

反乱勃発

王子朝の反乱により、周は内戦の危機に直面しました。単穆公は平畤へ逃げ、劉文公もまた困難な状況の中で逃れました。しかし、王子たちの追撃が続く中、反撃の機会を狙いました。王子朝は一時的に京に逃げ込み、その間、劉文公は悼王とともに王城に入って立て直しを図ります。

その後、鞏簡公が京で王子朝の軍に敗れるなど、戦局は厳しさを増していきます。単穆公は晋に状況を報告し、増援を求めました。

戦いと混乱

7月に入ると、単穆公は悼王を伴い、平畤から圃車へと移動し、さらに皇に宿営を行いました。その局面で、劉文公は独自に行動していましたが、戦いの中で王子朝側の鄩肸が皇を攻撃して多くの犠牲を出し、大敗を喫します。最終的に鄩肸は捕らえられ、王城で焼き殺されるという悲劇的な結果を迎えました。

8月には、司徒丑が悼王軍を率いて前城での戦闘に臨みましたが、これもまた敗北を喫しました。この頃、百工たちが反乱側に加わるなど、状況はさらに厳しくなり、単穆公は反撃に打って出ることになります。10月には、晋の軍が悼王を王城に導き入れる一方で、単穆公と劉文公は悼王の軍を率いて郊前で戦いましたが、これもまた敗北を重ねることとなりました。

悼王の最期

11月、悼王の運命は暗殺により幕を閉じます。彼の死は周の混乱を助長し、次に即位したのは敬王でした。

結論

悼王の治世は短命でしたが、彼を巡る権力の争いは、周の歴史にとって重要な出来事です。彼の即位から暗殺に至るまでの過程は、春秋時代の政治の激しさを物語っています。彼の存在は、権力の獲得がいかに複雑で危険であるかを示す良い例と言えるでしょう。

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