惟宗康友

惟宗康友について

惟宗康友（これむね の やすとも）は、鎌倉時代に活躍した日本の御家人です。藤内康友、鹿児島康友という別名も持ち、薩摩国鹿児島郡で生まれました。彼は、藤内内舎人、右馬允、大夫判官などの役職を歴任し、鹿児島郡司并弁済使職、そして文治年間の頃には禁裏薩摩国新田宮八幡執印職并五大院院主職にも就きました。鎌倉幕府の御家人であり、鹿児島氏の初代としても知られています。

惟宗氏と康友の出自

惟宗氏は、元々摂関家である藤原氏に仕えた京都の武士であり、康友の拠点である鹿児島は、同じく摂関家であった近衛家領の島津荘内に位置していました。康友自身も藤内内舎人という立場であったことから、彼が京都とのつながりを持っていたことがうかがえます。

建仁3年12月、島津荘寄郡鹿児島郡司弁済使職の意見に対し、鎌倉幕府は相伝の道理に基づき守護所に裁決を下しました。この出来事は、康友が鎌倉幕府と関係を持ち、その支配下にあったことを示すものです。

惟宗康友の系譜

惟宗氏は、陰陽頭を務めた惟宗具瞻を祖とし、その子孫は代々官位を重ねました。康友は、明法得業生であった惟宗友広の子として生まれ、初代執印となりました。康友の子孫には、執印氏を継いだ康兼、国分氏を創始した友久などがいます。

惟宗具瞻（従五位下陰陽頭）
惟宗正邦（従五位下陰陽頭）
惟宗考親（従五位下能登守）
惟宗考言（従四位下伊賀守掃部介）
惟宗忠方[忠親]（紀中納言若狭守）
惟宗友國[知國]（宗大納言従二位兵庫太夫）
惟宗友兼（筑前先生主典代）
惟宗友広（明法得業生）
惟宗康友（初代執印）
惟宗康兼（執印氏）

惟宗氏の出自と康友の子孫

惟宗氏は、秦氏の後裔であるとされ、代々「忠」を通字としていました。また、皇別の聖武天皇説と醍醐天皇説の二つの説がありますが、康友の子孫である執印氏や国分氏は、醍醐天皇後裔説を支持しています。具体的には、醍醐天皇から保明親王、慶頼王、そして惟宗具瞻へと繋がる系譜を主張しています。

康友の子

康村（康兼・鹿児島大郎・中務允）：執印氏を継承。
友久（国分寺留守左衛門尉・右近将監）：国分氏の祖。
友家：平野家の元祖。
康忠（五代四郎・忠康）

まとめ

惟宗康友は、鎌倉時代に薩摩国で活躍した武士であり、鹿児島氏の祖として知られています。藤原氏の流れを汲む惟宗氏の出身であり、京都との繋がりも持っていました。また、鎌倉幕府の御家人として、島津荘の管理にも深く関与しました。彼の活躍は、その子孫である執印氏や国分氏に引き継がれ、薩摩の歴史に大きな足跡を残しました。

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