内舎人

内舎人（うどねり）

内舎人とは、宮中における役職の一つです。

律令制下における内舎人

律令制においては中務省に所属する官職であり、『和名抄』には「うちとねり」と記載されています。「うどねり」という呼び方は、その略称です。

『大宝令』における内舎人の主な役割は、帯刀宿衛、供奉雑使、そして天皇の外出時の護衛といった天皇の身辺警護でした。彼らの詰め所は中務省の東北隅に設けられていました。当初、定員は90人と定められていましたが、808年（大同3年）には40人に削減されました。しかし、1148年（久安4年）には成功の希望者に対応するため、定員が60名に増やされ、12世紀末になると実際には100名以上が置かれることもありました（『官職秘抄』）。このように、内舎人の人数は時代によって変動しています。

内舎人の中から選抜された者は、摂政や関白の随身を務めることもあり、彼らは「内舎人随身」と呼ばれました。内舎人は、原則として21歳以上の四位以下五位以上の子弟から選ばれましたが、三位以上の子弟であれば希望により無条件で任官が認められました。内舎人は他の舎人系の官職よりも上位の扱いを受けたため、昇進において有利な立場にありました。

武士が内舎人に任ぜられることが多くなると、その本姓と「内舎人」を略した呼称が用いられるようになりました。例えば、源氏出身の内舎人は「源内」、平氏であれば「平内」、藤原氏は「藤内」、橘氏は「吉内」、紀氏は「喜内」、清原氏は「清内」、伴氏は「伴内」のように呼ばれました。後には、実際の内舎人職や本姓に関わらず、これらの呼称が名乗られることもありました。

明治時代以降の内舎人

明治時代以降、内舎人は宮内省に属することになりました。宮内省においては、侍従長が統括する侍従職に属し、天皇の側近として役割を担いました。

参考文献

和田英松著、所功校訂『新訂 官職要解』（講談社学術文庫、1983年）ISBN 4061586211

関連項目

日本の官制
* 近衛兵

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