意賀美神社 (岸和田市)

意賀美神社（おがみじんじゃ）

意賀美神社は、大阪府岸和田市に位置する神社です。式内社であり、旧社格は村社でした。阿間河滝村と土生滝村の人々にとっての産土神として、水利の要所に祀られてきました。

歴史

神社の創建は古く、聖武天皇の治世である天平4年（732年）にまで遡ります。当時、深刻な旱魃に見舞われた際、意賀美神社に雨乞いを行ったところ、その霊験があったと伝えられています。また、陽成天皇の御代である元慶8年（884年）にも、畿内一帯で大旱魃が発生しました。この時、菅原道真が奉幣使として派遣され、意賀美神社で雨乞いの祈祷を行ったところ、再び霊験があったとされています。この出来事以降、意賀美神社は「雨降明神」として広く知られるようになりました。

明治時代に入り、明治39年（1906年）8月14日に、内務省神社・宗教両局長依命通牒による、いわゆる「神社合祀」が行われました。これに基づき、明治40年11月11日には、土生滝にあった古元神社と一瀬神社が、村社であった意賀美神社に合祀されました。

文化財

意賀美神社には、花山院厚卿筆の神額が所蔵されています。これは貴重な文化財として大切に保存されています。

境内社

意賀美神社の境内には、以下の境内社があります。

厳島神社
意賀美荒神社

神社周辺の環境

意賀美神社の境内は、神於山（こうのやま）の北側の裾に位置しています。神社の前を流れる津田川に流れ込む支流には、「雨降りの滝」と呼ばれる滝があります。この滝は、古くから人々の信仰の対象となってきました。

意賀美神社のある地域は、比較的内陸に位置するため、瀬戸内海気候に似て、梅雨後の降雨量が少ないという特徴があります。しかし、境内を含む周辺地域は湿潤な環境を保っており、この付近には珍しい暖地の広葉樹種が見られます。意賀美神社は、豊かな自然環境の中に位置する神社です。

境内の社叢は、コジイとミミズバイが優先する常緑広葉樹林となっています。その他、ホルトノキ、タイミンタチバナ、ツルコウジなどの常緑樹も見られます。この社叢は、昭和43年（1968年）に岸和田市の天然記念物に指定されました。また、大阪みどりの百選にも選定されており、平成元年には大阪府の自然環境保全地域にも指定されています。

しかし近年、意賀美神社を含む神於山地区では、自然環境の破壊が進んでしまいました。現在、自然再生推進法に基づき、農林水産省のもとで「神於山地区自然再生全体構想」（平成16年10月）、「神於山地区自然再生事業実施計画」（平成17年6月）に基づいた自然再生事業が始まっています。

交通アクセス

バス：南海電鉄岸和田駅前、またはJR阪和線東岸和田駅から、南海ウイングバス南部0,41,42,43系統に乗車し、「宮の台」で下車。1時間に2本程度の運行。
自動車：阪和自動車道貝塚IC（最寄）または岸和田和泉ICから国道170号線を利用。

意賀美神社は、豊かな自然と歴史に彩られた神社です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

もう一度検索