愛に甦へる日 (1923年の映画)

『愛に甦へる日』について

『愛に甦へる日』は、1923年（大正12年）に製作され公開された、溝口健二監督による日本映画です。溝口監督の記念すべきデビュー作であり、サイレント映画として製作されました。

概要

当時の日活向島撮影所では、4巻40分が標準的な映画の長さでしたが、本作は6巻60分と長尺で製作されました。同撮影所は「日活新派」と呼ばれる現代劇を主に撮影しており、女性の配役には女優ではなく女形が起用されていたことが特徴です。そのため、本作にも森きよし、小栗武雄、中村吉次、木藤茂といった女形が出演しています。

現在、本作の上映用プリントは東京国立近代美術館フィルムセンターやマツダ映画社には所蔵されておらず、鑑賞することが非常に困難な作品となっています。溝口健二監督の初期作品を知る上で貴重な作品であるにも関わらず、その全貌を伺い知ることができないのは非常に残念です。

作品データ

監督: 溝口健二
原作・脚本: 若山治
撮影・編集・現像: 高坂利光
製作: 日活向島撮影所
上映時間: 60分（6巻）
フォーマット: 白黒映画、スタンダードサイズ（1.33:1）、サイレント映画
初回興行: 浅草・三友館

キャスト

山本嘉一 - 海野蕉亭
森きよし - 姉娘・民枝
小栗武雄 - 妹娘・小百合
小泉嘉輔 - 菱田雄一
上杉六郎 - 菱田の父・清作
中村吉次 - 菱田の母・おきぬ
御船茂 - 海野の弟子
白川悟 - 海野の弟子
吉村哲雄 - 室田義郎
木藤茂 - およし
宮島啓夫 - 労働者

作品の特徴

本作は、溝口健二監督の初期の作風を知る上で重要な作品です。当時の映画製作の状況や、女形が女性を演じるという独特なキャスティングは、日本の映画史における興味深い一面を伝えています。また、現存するプリントがないため、その内容を具体的に知ることができない点も、映画ファンにとっては特別な関心を引く要素となっています。

関連情報

愛に甦る日 - 日本映画データベース
愛に甦へる日 - IMDb（英語）

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